名古屋城

名古屋城の天守
名古屋城
名古屋城の天守
金鯱が輝く名古屋城の大天守と小天守
写真: Base64 / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

青空の下で、屋根の上の金の鯱(しゃちほこ)がきらりと光る――。「尾張名古屋は城でもつ」とうたわれた「名古屋城(なごやじょう)」は、愛知県名古屋市のシンボルです。

名古屋城は、1610年に徳川家康の命令で築城が始まり、徳川御三家の筆頭・尾張徳川家の居城として栄えました。史上最大級の延床面積をほこった大天守、豪華絢爛な本丸御殿、そして鉄壁の石垣。城郭として国宝第一号に指定された、日本を代表する名城です。

1945年の空襲で天守や本丸御殿は焼けてしまいましたが、天守は1959年に再建され、本丸御殿は2018年に当時の姿のまま復元されました。現在、天守閣は木造で復元するための計画が進められていて、中には入れませんが、外から見る堂々とした姿は迫力満点です。

この記事では、名古屋城の歴史と見どころ、観覧料と開園時間、復元された本丸御殿、金鯱、石垣と清正石、江戸時代から残る隅櫓、二之丸庭園、金シャチ横丁の名古屋めし、周辺スポット、アクセス、モデルコースまで、はじめての人にもわかりやすく紹介します。

名古屋城の基本情報

まずは基本の情報を表にまとめました。時間や料金は変わることがあるので、お出かけ前に公式サイトで確認してください。

名称名古屋城(特別史跡 名古屋城跡)
所在地〒460-0031 愛知県名古屋市中区本丸1番1号
電話052-231-1700(名古屋城総合事務所)
開園時間9:00〜16:30(本丸御殿・西の丸御蔵城宝館への入場は16:00まで)
休園日12月29日〜31日、1月1日
観覧料大人1,000円(2026年10月1日改定)/中学生以下無料
所要時間約1時間〜1時間30分
公式サイト名古屋城 公式ウェブサイト

観覧料は2026年10月1日から改定され、大人1,000円になりました。中学生以下は無料です。支払いは現金のほか、クレジットカードや交通系ICカード、各種コード決済にも対応しています。

本丸御殿へは、正門や東門から歩いて10分ほどかかります。16:00までに本丸御殿の入口に着くように、時間に余裕をもって出かけましょう。

名古屋城の歴史

焼失前の天守内部
戦災で焼失する前の天守内部(古写真)
写真: Gryffindor / Public domain

名古屋城の歴史は、江戸時代のはじめにさかのぼります。1610年、徳川家康は、大坂の豊臣家への備えと、東海道の守りを固めるために、名古屋に新しい城を築くことを決めました。

築城工事は、加藤清正や福島正則など、西国の大名たちに命じられました。1612年には大天守が完成し、1615年には本丸御殿が完成します。名古屋城は、家康の九男・徳川義直を初代藩主とする尾張徳川家の居城となりました。尾張徳川家は徳川御三家の筆頭として、江戸時代を通じて大きな力を持ちました。

明治時代になると、名古屋城を取り壊す計画もありましたが、文化的な価値を評価する人々によって守られました。そして1930年、天守と本丸御殿は、城郭として国宝第一号に指定されました。

しかし1945年5月、太平洋戦争の空襲によって、天守や本丸御殿など多くの建物が焼けてしまいました。戦後、市民の多くの寄付によって、1959年に天守が鉄骨鉄筋コンクリート造で再建されました。

天守閣 ― 史上最大級の天守

名古屋城の大天守
青空にそびえる名古屋城の大天守
写真: Fg2, Mukai / Public domain

名古屋城のシンボルが、大天守と小天守からなる天守閣です。1612年に完成した当時の天守は、五層五階地下一階の建物で、史上最大級の延床面積をほこっていました。

現在の天守は1959年に再建されたものです。再建から半世紀以上がたち、設備の老朽化や耐震性の問題があるため、現在は閉館していて中には入れません。名古屋市では、天守を江戸時代と同じ木造で復元する計画を進めています。

天守の中には入れませんが、外から見上げる姿は迫力があります。とくに、天守の石垣の高さと、屋根の上に輝く金鯱は必見です。

また、名古屋城の近くにある「階段体験館(ステップなごや)」では、木造復元のために作られた実物大の階段模型を体験したり、復元後の天守のVR映像を見たりすることができます。

本丸御殿 ― よみがえった絢爛豪華な御殿

焼失前の本丸御殿
戦災で焼失する前の本丸御殿の玄関(古写真)
写真: Togabi / Public domain

名古屋城でいちばんの見どころが、2018年に復元された「本丸御殿」です。

本丸御殿は、1615年に尾張藩主の住まいと政治の場として建てられました。その後、徳川将軍が名古屋を訪れるときの宿として使われるようになります。御殿の中は、きらびやかな障壁画や飾金具で彩られ、「近世城郭御殿の最高傑作」とたたえられていました。

1945年の空襲で焼けてしまいましたが、江戸時代の記録や戦前の写真、実測図など、第一級の資料をもとに復元工事が行われ、2018年にかつての姿がよみがえりました。

見どころは、次のような部屋です。

  • ① 玄関:金地に虎や豹が描かれた障壁画から「虎之間」ともよばれる部屋。
  • ② 表書院:藩主が正式に家臣と対面した、御殿でいちばん大きく格式の高い部屋。
  • ③ 対面所:藩主が身内や家臣と私的に対面した部屋。京都や和歌山の風景を描いた「風俗図」が見られます。
  • ④ 上洛殿:1634年、三代将軍・徳川家光が泊まるために増築された、御殿でいちばん豪華な建物。狩野探幽の障壁画は傑作とされています。

柱や床板、障子の桟にいたるまで、ヒノキなどの貴重な木材が使われています。木の香りがただよう御殿の中で、江戸時代の職人たちの技と美意識を感じてみてください。

金鯱 ― 名古屋のシンボル

天守の屋根の上で輝く「金鯱(きんしゃち)」は、名古屋のシンボルです。鯱は、頭が虎で体が魚という想像上の生き物で、火事から建物を守るおまじないとされてきました。

1612年の天守完成のとき、徳川家康の支配力と尾張徳川家の権威を示すために、豪華な金鯱がのせられました。江戸時代には「金の鯱ほこ」として全国に名がとどろきました。

金鯱は、北側の雄と南側の雌の一対です。現在の金鯱は2代目で、1959年の天守再建のときに復元されました。高さは約2.6メートル、重さはそれぞれ1トン以上あり、18金の金板でおおわれています。うろこの枚数は、雄が112枚、雌が126枚です。

晴れた日には、金鯱が太陽の光を受けてきらきらと輝きます。少し離れた場所から、天守と金鯱をいっしょに写真に収めてみてください。

石垣と清正石

清正石
名古屋城の石垣で最大の巨石・清正石
写真: Gryffindor / Public domain

名古屋城の石垣は、城全体で総延長8.2キロメートルにもおよびます。築城のとき、石垣工事は主に西国の大名20家に命じられ、大名ごとに担当する場所が決められていました。

石垣の石をよく見ると、さまざまな記号が刻まれているのがわかります。これは「刻印」とよばれるもので、大名たちが自分の家の石を他家と区別するためにつけたと考えられています。石垣を歩きながら、刻印を探してみるのも楽しいですよ。

天守台の石垣は、石垣づくりの名手として知られる加藤清正が担当しました。熊本から約2万人を連れてきて、わずか3か月足らずで工事を終えたと伝えられています。

本丸東二之門を入った正面には、名古屋城の石垣でいちばん大きな石「清正石」があります。大きさは約八畳敷、重さは約10トンと推定されています。清正が運んだという伝説から「清正石」とよばれていますが、じつはこの場所の石垣を担当したのは黒田長政で、近代になってから生まれた話だとされています。

江戸時代から残る隅櫓

西南隅櫓
江戸時代から残る重要文化財の西南隅櫓
写真: Alpsdake / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

名古屋城には、築城当時から現存する3つの隅櫓(すみやぐら)があり、いずれも国の重要文化財に指定されています。

  • ① 西南隅櫓:本丸の南西の角に建つ櫓。外から見ると二重ですが、中は三階になっている珍しい形です。大正時代に修復されたため、菊の紋の瓦が使われています。
  • ② 東南隅櫓:本丸の南東の角に建つ櫓。鬼瓦などに徳川家の葵の紋が使われています。
  • ③ 西北隅櫓:御深井丸の北西の角に建つ櫓。江戸時代から残る三階櫓の中では、全国で2番目の大きさをほこります。
空堀と東南隅櫓
本丸の空堀と東南隅櫓
写真: DimiTalen / Wikimedia Commons(CC0)

空襲をのりこえて400年以上残る隅櫓は、とても貴重な建物です。特別公開が行われることもあるので、公式サイトのお知らせをチェックしてみてください。

名勝二之丸庭園

名勝二之丸庭園
石組みが見事な名勝二之丸庭園
写真: Bariston / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

二之丸の北側に広がる「名勝二之丸庭園」は、歴代の藩主が過ごした二之丸御殿の庭園でした。面積は約3万平方メートル。藩主が住んだ城内の御殿の庭園としては、日本一の規模をほこります。

滝をあらわした石組みの上に石橋をかけるなど、ダイナミックな景色が特徴で、名園として高く評価されています。2018年には、庭園のほぼ全域が国の名勝に指定されました。

二之丸庭園の茶室付近
二之丸庭園の茶室近くの景色
写真: Gryffindor / Public domain

庭園の中には茶室もあり、季節によってはお茶をいただけることもあります。にぎやかな本丸とはちがった、静かな時間を過ごせる場所です。

西の丸御蔵城宝館

西の丸にある「西の丸御蔵城宝館」は、名古屋城に伝わる文化財を展示する施設です。江戸時代の蔵をイメージした外観が特徴で、本丸御殿の障壁画(重要文化財)の実物などが展示されます。

展示は時期によって入れかわるので、企画展の内容は公式サイトで確認してください。入場は16:00までなので、本丸御殿とあわせて時間配分に気をつけましょう。

四季の名古屋城と夜の楽しみ

しだれ桜と天守
春のしだれ桜と名古屋城の天守
写真: Alpsdake / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

名古屋城は、季節ごとにさまざまな表情を見せてくれます。

  • ① 春(3〜4月):城内にはたくさんの桜が咲き、天守と桜の組み合わせは名古屋を代表する春の景色です。しだれ桜も見事です。
  • ② 夏(6〜8月):深い緑に包まれ、夏のイベントが開かれることもあります。
  • ③ 秋(10〜11月):紅葉が城を彩ります。秋には夜間のライトアップなど特別な企画が行われることもあります。
  • ④ 冬(12〜2月):空気がすみ、青空に天守と金鯱がくっきりと映えます。
夜の堀と西北隅櫓
ライトアップされた堀と西北隅櫓
写真: Christophe95 / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

夜のイベントやライトアップの期間には、ライトに照らされた堀や櫓の幻想的な景色を楽しめます。開催期間は年によって変わるので、公式サイトのイベント情報を確認してください。

名古屋城の写真スポット

名古屋城には、写真映えするスポットがたくさんあります。

  • ① 本丸の天守前:大天守と小天守、そして金鯱をいっしょに撮影できる定番スポットです。
  • ② 西南隅櫓と堀:石垣の上に建つ隅櫓と堀の組み合わせは、城らしい風景です。
  • ③ 二之丸庭園:石組みと緑の庭園ごしに、落ちついた雰囲気の写真が撮れます。
  • ④ 本丸御殿の玄関:檜の香りただよう御殿の入口は、和の美しさを感じる一枚に。

御殿の中など、撮影のルールが決められている場所もあります。現地の案内に従って撮影しましょう。

金シャチ横丁で名古屋めし

金シャチ横丁
名古屋めしが楽しめる金シャチ横丁
写真: Bariston / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

名古屋城の正門と東門の近くには、名古屋のグルメが集まる「金シャチ横丁」があります。城下町の雰囲気を感じる建物の中で、名古屋ならではの味「名古屋めし」が楽しめます。

  • ① 味噌カツ:豚カツに、甘くて濃い八丁味噌のたれをかけた名古屋の定番。
  • ② ひつまぶし:ごはんの上に刻んだうなぎの蒲焼き。そのまま、薬味をのせて、お茶漬けで、と3通りに楽しめます。
  • ③ 手羽先:甘辛いたれとスパイスで味つけした鶏の手羽先。
  • ④ きしめん:平たい麺が特徴の名古屋のうどん。
  • ⑤ 天むす:小さなえびの天ぷらを入れたおにぎり。

名古屋城を見学したあとは、金シャチ横丁でゆっくり食事を楽しんでみてください。正門近くの「義直ゾーン」と東門近くの「宗春ゾーン」の2つのエリアがあります。

名古屋城の周辺スポット

徳川園の龍仙湖
尾張徳川家ゆかりの徳川園
写真: ウィキ太郎(WikiTaro) / Public domain

名古屋城とあわせて訪れたい、周辺のスポットをご紹介します。

  • ① 徳川園・徳川美術館:尾張徳川家ゆかりの日本庭園と美術館。国宝「源氏物語絵巻」などを所蔵しています。
  • ② 熱田神宮:三種の神器のひとつ「草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)」をまつる、名古屋を代表する神社です。
  • ③ 大須商店街:古着屋や食べ歩きのお店がならぶ、にぎやかな商店街。
  • ④ 名古屋テレビ塔:栄にあるタワー。展望台から名古屋の街を見わたせます。
熱田神宮
名古屋を代表する神社・熱田神宮
写真: Hyppolyte de Saint-Rambert / Wikimedia Commons(CC BY 4.0)

名古屋城から徳川園へは、観光ルートバス「メーグル」を使うと便利です。

名古屋城へのアクセス

上空から見た名古屋城
上空から見た名古屋城と市街地
写真: BobTanGo / Wikimedia Commons(CC BY 4.0)

名古屋城へは、地下鉄やバスで行くことができます。

地下鉄名城線「名古屋城」駅7番出口から徒歩約5分
名鉄瀬戸線「東大手」駅から徒歩約15分
市バス栄13号系統「名古屋城正門前」下車
観光ルートバスなごや観光ルートバス「メーグル」で名古屋城へ
名古屋駅から地下鉄を乗りついで約15〜20分

名古屋駅から行く場合は、地下鉄東山線で栄駅まで行き、名城線に乗りかえるのが一般的です。観光ルートバス「メーグル」は、名古屋駅から名古屋城、徳川園などの観光地をめぐるので、観光にとても便利です。

運行時刻は変わることがあるので、事前に確認してください。

おすすめモデルコース

名古屋城と周辺を楽しむ、1日のモデルコースをご紹介します。

  • ① 9:00 名古屋城の正門から入城
  • ② 9:15 西の丸御蔵城宝館で企画展を見学
  • ③ 9:45 本丸御殿をじっくり見学
  • ④ 10:45 天守閣と金鯱を外から見上げる、清正石を見る
  • ⑤ 11:15 隅櫓と石垣の刻印を探しながら散策
  • ⑥ 11:45 名勝二之丸庭園でひと休み
  • ⑦ 12:30 金シャチ横丁で名古屋めしランチ
  • ⑧ 14:00 メーグルで徳川園・徳川美術館へ
  • ⑨ 16:00 栄・大須で買い物と食べ歩き

本丸御殿は人気なので、混雑する時間を避けたいなら朝いちばんがおすすめです。公式サイトでは、本丸御殿の入館待ち時間も確認できます。

名古屋城を楽しむためのポイント

  • ① 本丸御殿は16:00までに入場:本丸御殿へは門から10分ほど歩くので、時間に余裕をもちましょう。
  • ② 歩きやすい靴で:城内はとても広く、すべて回ると2〜3時間歩きます。
  • ③ キャッシュレス決済が使える:観覧料はクレジットカードや交通系ICカードでも支払えます。
  • ④ 天守の中には入れない:現在は閉館中なので、外からの見学になります。
  • ⑤ 公式サイトで最新情報を確認:本丸御殿の一部が工事で見られない場合もあります。

城内では、決められた場所以外での飲食やドローンの使用などに注意しましょう。文化財を大切にしながら見学してください。

よくある質問

名古屋城の観覧料はいくらですか?

2026年10月1日から、大人1,000円になりました。中学生以下は無料です。クレジットカードや交通系ICカードなどでも支払えます。

名古屋城の天守閣には入れますか?

天守閣は耐震性の問題などのため、現在閉館していて中には入れません。木造での復元計画が進められています。

名古屋城の開園時間は?

9:00〜16:30です。本丸御殿と西の丸御蔵城宝館への入場は16:00までです。休園日は12月29日〜1月1日です。

名古屋城の見学にはどのくらい時間がかかりますか?

主な見どころをまわるには約1時間〜1時間30分が目安です。庭園や金シャチ横丁もゆっくり楽しむなら、半日あると安心です。

名古屋城の最寄り駅は?

地下鉄名城線の「名古屋城」駅が最寄りで、7番出口から徒歩約5分です。

清正石は本当に加藤清正が運んだのですか?

清正が運んだという伝説がありますが、この場所の石垣を担当したのは黒田長政で、近代になってから生まれた話だとされています。

まとめ

名古屋城は、徳川家康が築き、尾張徳川家が守ってきた、日本を代表する名城です。きらびやかに復元された本丸御殿、天守の上で輝く金鯱、8キロ以上続く石垣と清正石、400年の時をこえて残る隅櫓、そして広々とした二之丸庭園。城をめぐったあとは、金シャチ横丁で名古屋めしを味わえば、名古屋の魅力をまるごと楽しめます。

木造復元が進む天守の未来にも思いをはせながら、名古屋城の歴史と美しさにふれてみてください。

参考情報

※この記事の情報は執筆時点のものです。開園時間、料金などは変わることがありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。

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