二条城

二条城の唐門
二条城
二条城の唐門
金色の飾りと彫刻がまばゆい唐門
写真: そらみみ (Soramimi) / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

金色の飾りがまばゆく光る唐門をくぐると、目の前にあらわれるのは、豪華な御殿と美しい庭園。京都市の中心にある「元離宮二条城(もとりきゅうにじょうじょう)」は、江戸幕府の始まりと終わりを見届けた、日本の歴史の舞台となったお城です。

二条城は、1603年に徳川家康が築いた城です。そして1867年、15代将軍・徳川慶喜がここで「大政奉還」の意思を表明し、260年あまり続いた江戸幕府の時代が終わりました。まさに、江戸時代のはじまりと終わりが、この城で刻まれたのです。

国宝の二の丸御殿、特別名勝の二の丸庭園、そして豪華な障壁画。1994年には「古都京都の文化財」のひとつとして世界遺産に登録されました。2026年は、後水尾天皇が二条城をおとずれた「寛永行幸」から400年という節目の年でもあります。

この記事では、二条城の歴史と見どころ、入城料と開城時間、二の丸御殿と本丸御殿の見学のしかた、四季の楽しみ方、ライトアップ、周辺スポット、アクセス、モデルコースまで、はじめての人にもわかりやすく紹介します。

二条城の基本情報

まずは基本の情報を表にまとめました。時間や料金は変わることがあるので、お出かけ前に公式サイトで確認してください。

名称元離宮二条城(もとりきゅうにじょうじょう)
所在地京都府京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
開城時間8:45〜16:00(閉城17:00)
休城日12月29日〜31日
入城料(一般)800円(二の丸御殿観覧とセットで1,300円)
入城料(中高生・小学生)中高生400円、小学生300円
本丸御殿要事前予約、一般1,000円(入城料は別)
世界遺産古都京都の文化財(1994年登録)
アクセス地下鉄東西線「二条城前駅」すぐ
地下鉄 二条城前駅
二条城の目の前にある地下鉄東西線・二条城前駅
写真: AWA-NAO / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

二条城の歴史:江戸時代のはじまりと終わり

二条城は、慶長8年(1603年)、江戸幕府を開いた徳川家康が、天皇の住む京都御所を守ることと、将軍が京都に来たときの宿泊所にすることを目的に築きました。将軍がいないあいだは、江戸から派遣された武士たちが城を守っていました。

その後、3代将軍・家光の時代に、後水尾(ごみずのお)天皇を城にお迎えする「行幸(ぎょうこう)」のため、城は大きく改修されました。このとき、二の丸御殿には狩野探幽(かのうたんゆう)らによる豪華な障壁画がたくさん加えられました。天皇を豪華な城にお迎えすることで、江戸幕府の力が安定していることを世の中に示したのです。この寛永3年(1626年)の行幸から、2026年でちょうど400年になります。

そして慶応3年(1867年)、15代将軍・徳川慶喜が二の丸御殿で「大政奉還」の意思を表明します。政治の権力を朝廷に返すというこの決断によって、江戸幕府の時代は終わりをむかえました。家康がはじまりを告げた城で、最後の将軍が幕府の終わりを決めた――二条城は、まさに江戸時代の歴史そのものを見つめてきた城なのです。

明治時代には皇室の離宮となり、昭和14年(1939年)に京都市にあたえられて、「元離宮二条城」として一般公開されるようになりました。

寛永行幸400年

寛永3年(1626年)、後水尾天皇は二条城に5日間滞在し、舞楽や和歌、能などの盛大な催しが行われました。行幸のために建てられた行幸御殿はいまは残っていませんが、二の丸庭園には当時の面影が伝わっています。

唐門:豪華な彫刻がかがやく門

唐門の彫刻
唐門をかざる色あざやかな彫刻
写真: Sailko / Wikimedia Commons(CC BY 3.0)

二の丸御殿の入口にあたるのが「唐門(からもん)」です。屋根の前後に曲線をえがく「唐破風(からはふ)」をもつ門で、極彩色の彫刻や金色の飾り金具でかざられています。

鶴や松、竹、唐獅子など、おめでたい意味をもつ彫刻がほどこされており、近くで見るとその細やかさにおどろかされます。唐門は重要文化財に指定されていて、修理によって、かつての色あざやかな姿がよみがえっています。

国宝・二の丸御殿

二の丸御殿
国宝の二の丸御殿。6棟の建物が雁行形に並びます
写真: Martin Falbisoner / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

二条城でいちばんの見どころが、国宝の「二の丸御殿(にのまるごてん)」です。遠侍(とおざむらい)、式台(しきだい)、大広間(おおひろま)、蘇鉄の間(そてつのま)、黒書院(くろしょいん)、白書院(しろしょいん)の6棟の建物が、ななめに少しずつずれながら雁が飛ぶように並ぶ「雁行(がんこう)」という形でつながっています。

二の丸御殿の全景
二の丸御殿の車寄から続く建物群
写真: CCP2017 / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

御殿の中には、33の部屋があり、狩野派の画家たちが描いた障壁画がかざられています。重要文化財に指定されている障壁画は1016面にもおよびます。虎や豹、松の大木などが描かれた豪華な絵は、将軍の権威をあらわすものでした。

二の丸御殿の大広間・一の間と二の間は、徳川慶喜が大政奉還の意思を表明した場所としても知られています。部屋では、そのときの様子を人形で再現しています。

うぐいす張りの廊下

二の丸御殿の廊下を歩くと、「キュッキュッ」と鳥が鳴くような音がします。これは「うぐいす張り」と呼ばれる床で、歩くと床板を止める金具がこすれて音が鳴ります。侵入者に気づくためのしかけだといわれることもあり、二条城を訪れた人が楽しみにしている体験のひとつです。

二の丸御殿の屋根の飾り
屋根の破風をかざる金色の飾り
写真: Nacaru / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

二の丸御殿の観覧は、入城券と二の丸御殿観覧券がセットになった券(一般1,300円)がお得です。御殿の中は撮影禁止なので、目と心にしっかり焼きつけましょう。

特別名勝・二の丸庭園

二の丸庭園
特別名勝に指定されている二の丸庭園
写真: 663highland / Wikimedia Commons(CC BY 2.5)

二の丸御殿の西側に広がるのが、特別名勝に指定されている「二の丸庭園」です。江戸時代の作庭家・小堀遠州(こぼりえんしゅう)が手がけたといわれる庭園で、池の中に3つの島を配置し、たくさんの石を組んだ豪快な庭です。

二の丸庭園の池
石組みが美しい二の丸庭園の池
写真: そらみみ (Soramimi) / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

池のまわりを歩きながら、さまざまな角度から眺めることができます。大広間、黒書院、行幸御殿(いまは残っていません)の3方向から見て美しく見えるようにつくられたといわれています。

本丸御殿と天守台

本丸御殿
天守台の上から見た本丸御殿
写真: DXR / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

内堀に囲まれた本丸には、「本丸御殿(ほんまるごてん)」があります。いまの本丸御殿は、明治時代に京都御所の中にあった皇族・桂宮家の御殿を移築したもので、江戸時代後期の宮家の御殿が完全な形で残っている貴重な建物です。

本丸御殿の外観
皇族の邸宅を移築した本丸御殿
写真: Zairon / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

本丸御殿の観覧は事前予約制です。WEBチケットで、来城日の30日前から予約できます(一般1,000円、入城券は別に必要)。観覧できない日もあるので、公式サイトで確認しておきましょう。

本丸の南西には天守台があります。天守は江戸時代に落雷で焼けてしまい、いまは石垣だけが残っていますが、天守台の上にのぼると、本丸御殿や京都の街並みを見わたすことができます。

本丸御殿の玄関や書院などは、宮家の住まいらしい落ち着いた品のある雰囲気で、豪華な二の丸御殿とのちがいを比べてみるのも楽しいですよ。

堀と石垣、東大手門

二条城の堀と石垣
堀と石垣に囲まれた二条城
写真: そらみみ / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

二条城は、外堀と内堀の二重の堀に囲まれた城です。広さは約27万5000平方メートル、まわりの長さは約2キロもあります。城の正門にあたる東大手門をはじめ、隅櫓(すみやぐら)や門など22棟の建物が重要文化財に指定されています。

二条城の外堀
水をたたえた二条城の外堀
写真: そらみみ / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

外堀ぞいの道を歩くと、高い石垣と堀、隅櫓が続く景色を楽しめます。二条城の大きさを実感しながら、ぐるりと一周散歩するのもおすすめです。

清流園と城内の庭

清流園
和と洋をとりいれた庭園・清流園
写真: Zairon / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

城の北東にある「清流園(せいりゅうえん)」は、昭和の時代につくられた庭園です。洋風の芝生の庭と、和風の池泉回遊式の庭を組み合わせたもので、園内には茶室もあります。秋には市民大茶会などのイベントも行われます。

城内の庭園
緑ゆたかな二条城の庭園
写真: Mark Bucayan / Wikimedia Commons(CC BY 3.0)

城内には、梅林や桜の園、緑ゆたかな庭が点在していて、歴史ある建物とともに、自然の美しさも楽しめます。

四季の二条城

二条城は、季節ごとにちがう美しさを見せてくれます。

春は、城内で約50品種ともいわれるさまざまな桜が咲きそろいます。早咲きから遅咲きまで種類が多いので、長い期間お花見を楽しめるのが魅力です。夏は庭園の緑がまぶしく、秋は紅葉が城をいろどります。

秋の二条城
色づく木々と二条城
写真: Maechan0360 / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

冬は観光客が少なく、静かな城内をゆっくり歩けます。雪が降った日には、白くそまった唐門や御殿という、めずらしい景色に出会えることもあります。

ライトアップとイベント

二条城では、春や秋などに夜間のライトアップイベントが行われることがあります。2026年の秋には「二条城まつり2026」が予定されていて、ライトアップされた城内を楽しめます。灯りに照らされた唐門や石垣、庭園は、昼間とはちがう幻想的な雰囲気です。

ほかにも、市民大茶会や、障壁画の原画を公開する「二条城障壁画 展示収蔵館」の特別公開など、さまざまな催しがあります。日程は公式サイトのお知らせで確認しましょう。

障壁画の原画と展示収蔵館

二の丸御殿にかざられている障壁画は、文化財を守るため、多くが精巧な複製画におきかえられています。本物の原画は「二条城障壁画 展示収蔵館」で大切に保管され、季節ごとに一部が公開されます(入城券のほかに観覧券100円)。

本物の原画を間近で見ると、400年前の画家たちの筆づかいや、金箔のかがやきを感じることができます。公開の時期は公式サイトで確認してから訪れましょう。

ガイドツアーと音声ガイド

二条城では、公式ガイドツアーや音声ガイド機の貸し出しが行われています。歴史の背景や、障壁画にこめられた意味を知ると、見学がもっと楽しくなります。

城内には総合案内所や休憩所、ショップ・カフェもあります。手荷物預かりやコインロッカーもあるので、身軽に見学しましょう。

写真撮影のポイント

二条城で写真を撮るなら、唐門の正面がいちばんの定番スポットです。午前中は光が当たって、金色の飾りがかがやいて見えます。二の丸庭園では、池ごしに二の丸御殿の屋根を入れて撮ると、二条城らしい一枚になります。

天守台の上からは、本丸御殿と内堀、京都の街並みをいっしょに写せます。外堀ぞいでは、石垣と隅櫓が水面に映る景色も美しいです。御殿の中は撮影できないので、外の景色をたっぷり楽しみましょう。

周辺スポット:京都御所・神泉苑・錦市場

二条城のまわりには、あわせて訪れたいスポットがたくさんあります。

  • ① 神泉苑(しんせんえん):二条城のすぐ南にある、平安京の時代からの庭園
  • ② 京都御所・京都御苑:天皇が住んでいた御所。二条城から歩いて行ける距離です
  • ③ 錦市場:京都の台所。食べ歩きを楽しめます
  • ④ 堀川通り:二条城の東を走る大通り。近くには京都らしい町家の街並みも

二条城周辺のグルメ

二条城のまわりには、京都らしいおいしいお店がたくさんあります。

  • ① 京料理・おばんざい:町家を利用したお店で、京都の家庭料理を味わえます
  • ② 湯葉・豆腐料理:京都の名物をランチで
  • ③ 抹茶スイーツ:城内や周辺のカフェで、ひと休みに
  • ④ 京漬物・和菓子:おみやげにぴったりの京都の味

アクセス:京都駅からの行き方

地下鉄京都駅から地下鉄烏丸線で烏丸御池駅へ、東西線に乗りかえて「二条城前駅」下車すぐ
市バス京都駅から市バスで「二条城前」下車すぐ
JRJR嵯峨野線「二条駅」から徒歩約17分
車城の近くに駐車場あり(台数に限り)

地下鉄東西線の二条城前駅を出ると、目の前に東大手門があります。京都駅からは地下鉄を乗りついで約15分ほどで、とても便利です。

モデルコース:二条城を半日で満喫

  • ① 地下鉄で二条城前駅へ
  • ② 東大手門から入城
  • ③ 唐門の彫刻をじっくり見る
  • ④ 二の丸御殿を見学し、うぐいす張りの廊下を歩く
  • ⑤ 二の丸庭園を散策
  • ⑥ 本丸御殿(要予約)と天守台へ
  • ⑦ 清流園や展示収蔵館をめぐる
  • ⑧ 神泉苑や錦市場へ足をのばす

二条城の見学には、ゆっくりまわって2時間ほどを目安にするとよいでしょう。

見学のポイントと注意点

  • ① 本丸御殿の観覧は事前予約制。早めにWEBチケットで予約を
  • ② 二の丸御殿の中は撮影禁止です
  • ③ 御殿の中はくつをぬいで見学します。寒い季節は靴下があると安心
  • ④ 二の丸御殿や本丸御殿は、観覧休止日があるので事前に確認を
  • ⑤ 城内は広く砂利道も多いので、歩きやすいくつで
  • ⑥ 夏は暑くなるので、帽子と水分補給を忘れずに

よくある質問(Q&A)

二条城の入城料はいくらですか?

一般は入城料800円、二の丸御殿観覧とセットで1,300円です。中高生は400円、小学生は300円です。本丸御殿の観覧(要予約)は別に一般1,000円かかります。

二条城の開城時間は?

8:45〜16:00が入城受付で、17:00に閉城します。休城日は12月29日〜31日です。

本丸御殿は予約が必要ですか?

はい。本丸御殿の観覧は事前予約制で、WEBチケットで来城日の30日前から予約できます。

大政奉還が行われたのはどこですか?

二の丸御殿の大広間で、15代将軍・徳川慶喜が大政奉還の意思を表明しました。

京都駅から二条城へはどう行けばいいですか?

地下鉄烏丸線と東西線を乗りついで「二条城前駅」で降りるとすぐです。市バスでも行けます。

二条城の見学にはどれくらい時間がかかりますか?

二の丸御殿と庭園を中心にまわるなら約1時間半〜2時間です。本丸御殿や展示収蔵館もあわせると、さらに時間をとっておきましょう。

まとめ:江戸時代の始まりと終わりを見た城へ

二条城は、徳川家康が築き、徳川慶喜が大政奉還を表明した、江戸時代の歴史が凝縮された城です。豪華な唐門、国宝の二の丸御殿とうぐいす張りの廊下、特別名勝の庭園、そして宮家の御殿だった本丸御殿。歩くたびに、400年の歴史の重みを感じられます。

寛永行幸400年をむかえる二条城で、日本の歴史の大きな転換点にふれてみてください。京都の旅に、ぜひ組み入れてみてくださいね。きっと心に残る時間になります。

参考情報

※この記事の情報は執筆時点のものです。開城時間、料金などは変わることがありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。

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