

写真: Mc681 / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
高い石垣の上に、白い壁と緑の屋根、金色にかがやく飾り。大阪の街のまん中にそびえる大阪城は、大阪を代表するシンボルです。
大阪城は、天下統一をめざした豊臣秀吉が築いた城として知られています。そのあと、大坂の陣で落城し、徳川幕府によって新しく築き直されました。いまの天守閣は昭和6年(1931年)に、大阪の人々の寄付によって復興されたものです。
天守閣のまわりに広がる大阪城公園は、とても広い都会のオアシス。春の桜、早春の梅林、秋の紅葉、そして巨大な石垣や重要文化財の門や櫓(やぐら)など、一日いても楽しめる見どころがたくさんあります。
この記事では、大阪城の歴史、天守閣の入館料と開館時間、公園の見どころ、季節の楽しみ方、グルメ、アクセス、モデルコースまで、はじめての人にもわかりやすく紹介します。
大阪城公園の基本情報
まずは基本の情報を表にまとめました。時間や料金は変わることがあるので、お出かけ前に公式サイトで確認してください。
| 名称 | 大阪城公園・大阪城天守閣 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府大阪市中央区大阪城 |
| 公園 | 入園無料(一部施設は有料) |
| 天守閣 開館時間 | 9:00〜18:00(入館は17:30まで) |
| 天守閣 休館日 | 12月28日〜1月1日 |
| 天守閣 入館料 | 大人1,200円、大学生・高校生600円(要証明)、中学生以下無料(要証明) |
| アクセス | JR大阪環状線「大阪城公園駅」「森ノ宮駅」、地下鉄「谷町四丁目駅」「天満橋駅」など |
| 電話 | 06-6941-3044(大阪城天守閣) |

写真: 耕太郎 on Wikitravel / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)
大阪城の歴史:秀吉の城から市民の城へ
大阪城のある場所には、もともと浄土真宗の本願寺(石山本願寺)がありました。その跡地に、豊臣秀吉が天正11年(1583年)から城づくりを始めます。秀吉の大坂城は、金箔の瓦でかざられた豪華な天守をもつ、天下一の城だったといわれています。
しかし秀吉の死後、慶長20年(1615年)の大坂夏の陣で豊臣家は滅び、城も焼け落ちました。そのあと徳川幕府は、豊臣時代の城を土でうめて、その上にまったく新しい城を築きました。いま私たちが見ている巨大な石垣や堀は、この徳川時代につくられたものです。
徳川時代の天守も、のちに落雷で焼けてしまいます。それから長いあいだ天守のない時代が続きましたが、昭和6年(1931年)、大阪市民の寄付によって、いまの天守閣が復興されました。復興天守としては長い歴史をもち、国の登録有形文化財にもなっています。
ちなみに、江戸時代までは「大坂」と書くのがふつうでしたが、明治時代になって「大阪」という書き方が広まりました。そのため、歴史の話では「大坂城」、いまの名前では「大阪城」と書き分けられることがあります。
大坂の陣と真田幸村の物語
大阪城の歴史を語るうえで欠かせないのが、豊臣家と徳川家が戦った「大坂の陣」です。慶長19年(1614年)の冬の陣と、翌年の夏の陣、二度にわたる戦いで、豊臣家は滅びました。
この戦いで活躍したのが、真田幸村(信繁)です。冬の陣では、城の南側に「真田丸」という出城を築き、徳川の大軍を苦しめたと伝えられています。夏の陣では、徳川家康の本陣にせまる奮戦を見せ、「日本一の兵(つわもの)」とたたえられました。
天守閣の展示では、大坂の陣のようすを描いた屏風なども紹介されています。物語を知ってから城をめぐると、石垣や堀の見え方も変わってくるはずです。
大阪城天守閣:歴史博物館と展望台

写真: そらみみ (Soramimi) / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
天守閣は外から見ると5層、中は8階建てです。中は豊臣秀吉と大坂城の歴史を紹介する博物館になっていて、甲冑や刀、屏風など、たくさんの資料が展示されています。
最上階の8階は展望台です。ぐるりと一周できるデッキからは、大阪城公園の緑と、そのむこうに広がる大阪の街並みを見わたせます。外壁にかざられた金色のシャチホコや虎の飾りも、すぐ近くで見ることができます。
館内のエレベーターは、5階までの上り専用です(車いすの方などはすべての階で利用できます)。5階から8階までの上りと、8階から1階までの下りは階段になります。
| 開館時間 | 9:00〜18:00(入館は17:30まで) |
|---|---|
| 入館料(大人) | 1,200円 |
| 大学生・高校生 | 600円(学生証の提示が必要) |
| 中学生以下 | 無料(年齢がわかるものの提示が必要) |
| 支払い方法 | 現金のほか、クレジットカード、交通系ICカード、QRコード決済など |
館内では、日本語・英語・韓国語・中国語の音声ガイドを無料で借りられます。2階では、豊臣秀吉や真田幸村などの兜と陣羽織を試着して記念撮影できる体験(1回500円)もあります。
巨大な石垣と蛸石

写真: Ethan Doyle White / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
大阪城の見どころのひとつが、巨大な石を積み上げた石垣です。徳川幕府の命令で、全国の大名たちが石を運び、築いたものです。
なかでも有名なのが、桜門を入ったところにある「蛸石(たこいし)」です。大阪城でいちばん大きい石で、表面の広さはたたみ約36枚分ともいわれます。どうやってこんなに大きな石を運んだのか、想像するだけでおどろかされます。
石垣のあちこちには、石を運んだ大名の家紋などのしるしが残っているものもあります。散歩しながら、石垣をじっくり見てみるのも楽しいですよ。
大手門・千貫櫓:重要文化財めぐり

写真: Markus Leupold-Löwenthal / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)
大阪城公園には、江戸時代から残る建物が13棟あり、すべて国の重要文化財に指定されています。
大阪城の正面玄関が「大手門」です。門をくぐると、四角い広場(枡形)があり、敵が一度に入ってこられないようにくふうされています。

写真: DXR / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
大手門のそばには、「千貫櫓(せんがんやぐら)」が建っています。大阪城に残るもっとも古い建物のひとつで、西外堀の水面に映る姿がとても美しい場所です。ほかにも、乾櫓(いぬいやぐら)、桜門、金蔵、焔硝蔵(えんしょうぐら)など、歴史ある建物が点在しています。
極楽橋と内堀の景色

写真: Sakai Yayoi / Wikimedia Commons(CC0)
天守閣の北側にかかる「極楽橋」からは、内堀ごしに天守閣を見上げることができます。石垣と堀、そして天守閣がいっしょに見えるこの場所は、人気の写真スポットです。

写真: Andrew Braun / Wikimedia Commons(CC BY 3.0)
大阪城のまわりは、内堀と外堀の二重の堀に囲まれています。水をたたえた広い堀と、高い石垣の組み合わせは、城の守りのかたさを今に伝えています。堀をめぐる観光船が運航していることもあるので、現地で確認してみましょう。
大阪城公園の楽しみ方
大阪城公園は、とても広い公園です。天守閣のある本丸のほか、芝生広場やジョギングコース、野球場、音楽堂などがあり、大阪の人々のいこいの場になっています。
西の丸庭園

写真: 663highland / Wikimedia Commons(CC BY 2.5)
西の丸庭園は、広い芝生から天守閣を眺められる庭園です(有料)。天守閣を正面に見ながら、のんびりすごすことができます。春には桜の名所としてにぎわいます。
豊國神社

写真: そらみみ (Soramimi) / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
公園の中には、豊臣秀吉をまつる「豊國神社(ほうこくじんじゃ)」があります。出世のご利益で知られ、境内には秀吉の大きな銅像が立っています。
ミライザ大阪城とジョー・テラス・オオサカ

写真: Mc681 / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
天守閣のすぐ近くにある「ミライザ大阪城」は、昔の陸軍の建物をいかした商業施設です。レストランやおみやげ店が入っています。また、JR大阪城公園駅の近くには、カフェやレストランが集まる「ジョー・テラス・オオサカ」があり、散歩の途中でひと休みするのに便利です。
四季の大阪城:桜・梅・紅葉

写真: Luka Peternel / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
春の大阪城公園には約3,000本の桜が咲き、大阪でも指折りのお花見スポットになります。見ごろは例年3月の終わりから4月のはじめごろ。天守閣と桜をいっしょに眺められる西の丸庭園は、とくに人気です。

写真: Kousuke Sekidou / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
春より少し早く、1月の終わりから3月ごろには梅林で梅の花が咲きます。約100品種の梅が植えられ、早咲きから遅咲きまで、長い期間楽しめます。
秋は、イチョウやケヤキ、もみじが色づき、天守閣のまわりが黄色や赤にそまります。夏は木かげの多い公園で、夕方の散歩が気持ちのいい季節です。
夜の大阪城:ライトアップ

写真: Manish Prabhune / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
日が暮れると、天守閣はライトアップされ、夜空に金色に浮かび上がります。昼間とはちがう、幻想的な姿を見ることができます。
極楽橋のあたりや内堀のまわりから、ライトアップされた天守閣を眺めることができます。公園内では、季節ごとに夜のイベントが開かれることもあります。夜の公園を歩くときは、明るい道を選び、足もとに気をつけましょう。
天守閣から見る大阪の街

写真: 663highland / Wikimedia Commons(CC BY 2.5)
大阪城公園のまわりには、高層ビルが立ち並ぶ「大阪ビジネスパーク」が広がっています。400年前の石垣と、現代のビル群がいっしょに見える景色は、大阪城ならではです。
天守閣の展望台からは、大阪の街を360度見わたせます。晴れた日には、遠くの山々まで見えることもあります。
大阪城とあわせて行きたい周辺スポット
大阪城のまわりには、いっしょに訪れたいスポットがたくさんあります。
- ① 大阪歴史博物館:大手門の南西にある博物館。古代から近代までの大阪の歴史を、実物大の復元などでわかりやすく紹介しています
- ② 難波宮跡:飛鳥時代から奈良時代にかけて都がおかれた場所。いまは公園として整備されています
- ③ 造幣局「桜の通り抜け」:4月の一時期だけ、造幣局の構内の桜並木が一般に公開されます
- ④ 大阪水上バス:大阪城港から、川の上から大阪の街を眺める遊覧船に乗ることもできます
時間があれば、大阪城とあわせて、大阪の長い歴史を感じるスポットもめぐってみてください。
写真をきれいに撮るなら
天守閣を大きく撮るなら、西の丸庭園の芝生や、極楽橋のあたりがおすすめです。石垣と天守閣をいっしょに撮るなら、内堀のまわりを歩きながら角度を探してみましょう。朝の早い時間は人が少なく、やわらかい光で天守閣がきれいに写ります。夕方は西日を受けた天守閣が、金色にかがやいて見えることもあります。
大阪城周辺で味わいたいグルメ
大阪城公園のまわりや、大阪の街では、おいしいものがたくさん待っています。
- ① たこ焼き:大阪名物のたこ焼きは、公園の売店やまわりのお店でも楽しめます
- ② お好み焼き:大阪の「粉もん」文化を代表する味
- ③ 串カツ:大阪のソウルフード。二度づけ禁止のルールも楽しい
- ④ カフェ:ジョー・テラス・オオサカやミライザ大阪城で、天守閣の近くでひと休み
- ⑤ おみやげ:天守閣のミュージアムショップには、ここでしか買えないオリジナルグッズもあります
天守閣の館内は飲食禁止です。食事は公園の売店やカフェで楽しみましょう。
アクセス:大阪駅・難波からの行き方
| 大阪駅から | JR大阪環状線で「大阪城公園駅」まで約10分、天守閣まで徒歩約20分 |
|---|---|
| 森ノ宮から | JR・地下鉄「森ノ宮駅」から天守閣まで徒歩約20分 |
| 谷町四丁目から | 地下鉄谷町線・中央線「谷町四丁目駅」から大手門まで徒歩約10分 |
| 天満橋から | 京阪・地下鉄「天満橋駅」から徒歩約15分 |
公園はとても広いので、どの駅から入るかで天守閣までの距離が変わります。正面の大手門から入るなら谷町四丁目駅や天満橋駅、ジョー・テラス・オオサカに立ち寄るなら大阪城公園駅が便利です。
モデルコース:大阪城公園を半日で満喫
- ① 地下鉄「谷町四丁目駅」から大手門へ
- ② 大手門・千貫櫓を見学
- ③ 桜門をくぐり、蛸石を見る
- ④ 天守閣で歴史を学び、8階の展望台へ
- ⑤ 極楽橋から天守閣を眺める
- ⑥ 西の丸庭園や豊國神社へ
- ⑦ ミライザ大阪城やジョー・テラス・オオサカでひと休み
- ⑧ JR大阪城公園駅から次の目的地へ
午前中に大阪城を見学し、午後は難波や道頓堀、新世界などへ足をのばすと、大阪らしさを一日で楽しめます。
観光のポイントと注意点
- ① 公園はとても広いので、歩きやすい靴で
- ② 天守閣はとくに週末や連休に混み合うので、朝の早い時間がおすすめ
- ③ 天守閣の館内は飲食禁止。撮影禁止のエリアもあります
- ④ 館内にコインロッカーはなく、チケット売り場で荷物を預かってもらえます(1個100円)
- ⑤ ベビーカーは入口で預かってもらえます
- ⑥ 夏は日ざしが強いので、帽子と水分補給を忘れずに
よくある質問(Q&A)
大阪城天守閣の入館料はいくらですか?
大人1,200円、大学生・高校生600円(学生証の提示が必要)、中学生以下は無料です(年齢がわかるものの提示が必要)。
大阪城天守閣の開館時間は?
9:00〜18:00で、入館は17:30までです。休館日は12月28日〜1月1日です。
大阪城公園は入園料がかかりますか?
公園は無料で入れます。天守閣や西の丸庭園など、一部の施設は有料です。
大阪城の最寄り駅はどこですか?
JR大阪環状線の「大阪城公園駅」「森ノ宮駅」、地下鉄の「谷町四丁目駅」「天満橋駅」などが便利です。
大阪城の桜の見ごろはいつですか?
例年3月の終わりから4月のはじめごろです。公園には約3,000本の桜があります。
天守閣の中にエレベーターはありますか?
あります。5階までの上り専用で、5階から8階までの上りと、8階から1階までの下りは階段です。車いすの方などはすべての階で利用できます。
まとめ:大阪の歴史と今を感じる大阪城へ
大阪城は、豊臣秀吉の夢と、徳川時代の巨大な石垣、そして昭和の市民の願いがかさなってできた城です。天守閣から大阪の街を見わたし、石垣や門をめぐり、季節の花を楽しむ。大阪城公園には、歴史と今の大阪がいっしょに息づいています。
大阪の旅の最初に大阪城を訪れれば、この街の歴史がもっと身近に感じられるはずです。たこ焼きを片手に、ゆっくり大阪城のまわりを歩いてみてください。
参考情報
※この記事の情報は執筆時点のものです。開館時間、入館料などは変わることがありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。



