華厳の滝

華厳の滝
華厳の滝
華厳の滝
断崖を一気に落ちる華厳の滝
写真: Jordy Meow / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

ゴーッという大きな音とともに、白い水のすじが断崖を一気に落ちていく――。栃木県日光市の奥日光にある「華厳の滝(けごんのたき)」は、落差97メートル、日本を代表する名瀑です。

華厳の滝は、和歌山県の那智の滝、茨城県の袋田の滝とならぶ「日本三名瀑」のひとつに数えられています。中禅寺湖からあふれ出た水が、岩壁をまっすぐに流れ落ちる姿は、まさに大迫力。国の名勝にも指定されています。

滝のすぐそばまで行けるエレベーターに乗れば、100メートル下の観瀑台から、滝つぼへ落ちる水の迫力を真正面から体感できます。春の新緑、夏の涼しさ、秋の紅葉、冬の氷瀑と、季節ごとにまったくちがう表情を見せてくれるのも魅力です。

この記事では、華厳の滝の基本情報と歴史、エレベーターの料金と営業時間、四季の見どころ、いろは坂や中禅寺湖、戦場ヶ原など奥日光の周辺スポット、グルメ、アクセス、モデルコースまで、はじめての人にもわかりやすく紹介します。

華厳の滝の基本情報

まずは基本の情報を表にまとめました。時間や料金は変わることがあるので、お出かけ前に公式サイトで確認してください。

名称華厳の滝(華厳滝)
所在地栃木県日光市中宮祠(奥日光・中禅寺湖のそば)
落差・幅落差97メートル/幅約7メートル
指定国の名勝(1931年)、日本の地質百選(2007年)
エレベーター営業時間3月1日〜11月30日 8:00〜17:00/12月1日〜2月28日 9:00〜16:30
エレベーター料金(往復)大人600円/小学生400円/未就学児無料
駐車場華厳第一・第二駐車場(普通車1回500円)
公式サイト華厳滝エレベーター

華厳の滝を観瀑台から真正面に見るには、華厳滝エレベーターを利用します。予約は不要で、先着順で乗ることができます。ペットの同伴や、エレベーター内への飲食物の持ちこみはできません。

華厳の滝の歴史と名前の由来

夏の華厳の滝
新緑に包まれた夏の華厳の滝
写真: Mauricio V. Genta / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

華厳の滝は、約1,200年前、日光の山を開いた勝道上人(しょうどうしょうにん)によって発見されたと伝えられています。

「華厳」という名前の由来には、近くにあった華厳寺というお寺の名前からとったという説や、仏教の経典のひとつ「華厳経」から名づけられたという説があります。

華厳の滝の水は、中禅寺湖から流れ出ています。中禅寺湖は、約15,000年前ほどに男体山の噴火で流れ出した溶岩が川をせき止めてできた湖です。周囲25キロメートルもある大きな湖ですが、水が流れ出る川は大谷川(だいやがわ)ただひとつ。その最上流にあるのが華厳の滝なのです。

1931年に国の名勝に指定され、2007年には「日本の地質百選」にも選ばれました。

華厳滝エレベーターで観瀑台へ

華厳滝エレベーターの建物
和風の建物の華厳滝エレベーター乗り場
写真: Syohei Arai / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

華厳の滝を真正面から見るなら、「華厳滝エレベーター」がおすすめです。1930年に開業した歴史あるエレベーターで、岩盤の中を100メートル下へ、わずか約1分で降りていきます。

エレベーターを降りて、真夏でも15度ほどのひんやりした地下通路を抜けると、滝つぼとほぼ同じ高さにある観瀑台に出ます。目の前に広がるのは、轟音とともに水しぶきがはじける華厳の滝の雄大な姿です。

観瀑台からは、華厳の滝のまわりの岩肌から流れ出る小さな滝の群れ「十二滝」も見ることができます。また、右手には、多角形の柱のような岩が積み重なった「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」も見えます。自然がつくり出したふしぎな造形にも注目してみてください。

晴れた日の朝には、水しぶきに太陽の光がさしこんで、虹がかかることもあります。

迫力の滝つぼと水量のひみつ

華厳の滝は、日本一ともいわれる落差97メートルを一気に落ちる、豪快な滝です。滝つぼに落ちる水の音は、観瀑台に立つとおなかにひびくほどの迫力があります。

じつは、華厳の滝の水量は、中禅寺湖の水門によって調整されています。季節によって水量が変わり、たとえば2026年9月には、紅葉シーズンを前に落水量が毎秒0.3トンから1.0トンに増やされました。水量が多い時期は、さらに迫力のある滝の姿を見ることができます。

大雨のあとなど、水量が多いときの華厳の滝は、ふだんとはまったくちがう豪快さです。逆に冬は水量が少なくなり、まわりの小さな滝が凍りついた幻想的な姿を見せてくれます。

四季の華厳の滝

紅葉と華厳の滝
柱状節理の岩壁と紅葉
写真: lumoplank / Wikimedia Commons(CC0)

華厳の滝は、季節ごとにまったくちがう美しさを見せてくれます。

  • ① 春(5月ごろ):華厳渓谷にアカヤシオやシロヤシオなどのヤシオツツジが咲き、山肌をピンクに染めます。
  • ② 夏(6〜8月):深い緑に包まれ、水量も多く迫力満点。水しぶきの涼しさは、まさに天然のクーラーです。
  • ③ 秋(10月中旬〜下旬):まわりの木々が赤や黄色に色づき、白い滝との組み合わせがとても美しい季節です。
  • ④ 冬(1〜2月):細い小滝が凍りつき、巨大なシャンデリアのような「氷瀑」が見られます。青白くかがやく氷の姿は、冬だけの特別な景色です。
秋の華厳の滝
あざやかな紅葉と華厳の滝
写真: くろふね / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

紅葉の時期は、華厳の滝や中禅寺湖のまわりがいちばん混雑する季節です。いろは坂は大渋滞になることも多いので、朝早めの時間に出かけるのがおすすめです。

華厳渓谷
紅葉に染まる華厳渓谷
写真: lumoplank / Wikimedia Commons(CC0)

いろは坂 ― 48のカーブを越えて

いろは坂
48のカーブが続くいろは坂
写真: 津島修三 / Wikimedia Commons(CC BY 2.1 jp)

日光市街から華厳の滝や中禅寺湖のある奥日光へは、「いろは坂」とよばれる山道を通って行きます。

いろは坂には、全部で48のカーブがあり、それぞれのカーブに「い」「ろ」「は」……と、いろは歌の文字がひとつずつ書かれた看板が立っています。上りの「第二いろは坂」と、下りの「第一いろは坂」に分かれた一方通行の道になっています。

秋には、いろは坂の沿道が紅葉に包まれ、ドライブコースとしても大人気です。ただし、紅葉シーズンの週末は大渋滞になるので、時間に余裕をもって出かけましょう。

明智平ロープウェイ

明智平ロープウェイ
明智平ロープウェイと男体山
写真: Ski Mania / Public domain

第二いろは坂をのぼりきったところにある「明智平(あけちだいら)」からは、ロープウェイで展望台にのぼることができます。

展望台からは、華厳の滝と中禅寺湖、そして男体山を一度に見わたせる、すばらしい景色が広がります。華厳の滝を上から見下ろせる、ここだけの絶景ポイントです。

ロープウェイの運行時間や料金は季節によって変わるので、事前に確認してから出かけましょう。

中禅寺湖

男体山と中禅寺湖
男体山のふもとに広がる中禅寺湖
写真: Uraomote yamaneko / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

華厳の滝の水がわき出る「中禅寺湖」は、標高1,269メートルにある、日本でもとくに高い場所にある大きな湖です。

男体山を背景にした湖の景色はとても美しく、明治時代には各国の大使館の別荘が建てられるなど、国際的な避暑地として栄えました。いまも、湖畔には当時の大使館別荘が記念公園として残されています。

船から見た中禅寺湖
遊覧船から眺める中禅寺湖
写真: Mauricio V. Genta / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

中禅寺湖では、遊覧船に乗って湖を一周することもできます。湖の上から見る男体山や、色づく木々はとても美しく、とくに紅葉の季節はおすすめです。

二荒山神社中宮祠と中禅寺

二荒山神社中宮祠と男体山
二荒山神社中宮祠の鳥居と男体山
写真: そらみみ / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

中禅寺湖の北側には、「日光二荒山神社中宮祠(ちゅうぐうし)」があります。男体山をご神体とする二荒山神社の中宮で、男体山の登山口にもなっています。

また、中禅寺湖の東側には、日光山輪王寺の別院「中禅寺(立木観音)」があります。勝道上人が、桂の立ち木に千手観音を彫ったと伝えられる「立木観音」がまつられています。

華厳の滝とあわせて、奥日光の神社やお寺をめぐってみるのもおすすめです。

戦場ヶ原・竜頭ノ滝・湯滝

竜頭ノ滝
中禅寺湖の北にある竜頭ノ滝
写真: 663highland / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

中禅寺湖からさらに奥へ進むと、奥日光の雄大な自然が広がっています。

  • ① 竜頭ノ滝(りゅうずのたき):中禅寺湖の北側にある滝。岩の上を流れる2つの流れが、龍の頭のように見えることからこの名がつきました。秋の紅葉が特に美しい場所です。
  • ② 戦場ヶ原(せんじょうがはら):広さ約400ヘクタールの広大な湿原。木道が整備されていて、高原の花や野鳥を見ながら散策できます。
  • ③ 湯滝(ゆだき):湯ノ湖から流れ落ちる、落差約70メートルの迫力ある滝です。
  • ④ 湯ノ湖・日光湯元温泉:奥日光のいちばん奥にある静かな湖と、硫黄の香りがする温泉地です。
戦場ヶ原
広大な湿原・戦場ヶ原
写真: Satoru Kikuchi / Wikimedia Commons(CC BY 2.0)
湯滝
湯ノ湖から流れ落ちる湯滝
写真: 663highland / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
湯ノ湖
奥日光の静かな湖・湯ノ湖
写真: 663highland / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

奥日光は、日光市街よりも気温がかなり低く、夏でも涼しく過ごせます。

華厳の滝をきれいに撮るコツ

華厳の滝は、写真好きの人にも人気のスポットです。きれいに撮るためのコツをご紹介します。

  • ① 午前中の光をねらう:晴れた日の午前中は、滝に光が当たりやすく、水しぶきに虹がかかることもあります。
  • ② 縦の構図で:落差97メートルの滝は、スマートフォンを縦にして撮ると迫力が伝わります。
  • ③ まわりの景色も入れる:紅葉や新緑、柱状節理の岩壁を一緒に入れると、季節感のある写真になります。
  • ④ 水しぶき対策:観瀑台は水しぶきがかかることがあるので、レンズをふく布を持っていくと安心です。
  • ⑤ 明智平からの眺めも:ロープウェイで明智平の展望台にのぼると、滝と中禅寺湖、男体山を一枚に収められます。

観瀑台は混雑することもあるので、撮影は譲り合って楽しみましょう。

中禅寺温泉と日光湯元温泉

華厳の滝のある中禅寺湖のほとりには「中禅寺温泉」が、さらに奥には「日光湯元温泉」があります。

中禅寺温泉は、湖や男体山を眺めながら過ごせる静かな温泉地です。華厳の滝まで歩いて行ける距離にあり、観光の拠点にぴったりです。

日光湯元温泉は、奥日光のいちばん奥、湯ノ湖のほとりにある温泉地です。硫黄の香りがただよう乳白色のお湯が特徴で、森に囲まれた落ちついた雰囲気が魅力です。

奥日光に泊まれば、朝の静かな湖や、満天の星空など、日帰りでは見られない景色に出会えます。

服装と安全のポイント

奥日光は標高が高い山の上にあるため、日光市街や東京とは気候が大きくちがいます。

  • ① 夏でも上着を:標高約1,300メートルの中禅寺湖周辺は、真夏でも朝晩は肌寒く感じることがあります。
  • ② 秋は防寒着を:10月下旬になると、朝は気温が0度近くまで下がる日もあります。
  • ③ 冬は雪道対策を:冬は道路が凍結・積雪するので、車で行く場合はスタッドレスタイヤが必要です。バスの利用がおすすめです。
  • ④ 遊歩道では足もとに注意:観瀑台へ向かう通路や周辺の遊歩道は、ぬれてすべりやすい場所があります。

山の天気は変わりやすいので、雨具や折りたたみ傘も持っていくと安心です。

奥日光のグルメとおみやげ

奥日光には、清らかな水と自然にはぐくまれたおいしいものがあります。

  • ① ヒメマス:中禅寺湖の名物の魚。塩焼きやお刺身で味わえます。
  • ② 湯波(ゆば):日光の名物。湯波料理や湯波そばが楽しめます。
  • ③ 日光の天然氷のかき氷:日光の天然氷を使ったふわふわのかき氷も人気です。
  • ④ 華厳の滝周辺のおみやげ:華厳滝エレベーターの乗り場近くには、軽食やおみやげを楽しめるお店があります。

華厳の滝へのアクセス

日光市街から華厳の滝へは、バスや車で約40〜50分です。

電車とバス東武日光駅・JR日光駅から東武バス「中禅寺温泉・湯元温泉行き」に乗り「中禅寺温泉」下車、徒歩約5分
車で東北自動車道 宇都宮ICから日光宇都宮道路・清滝IC、いろは坂経由で約50分
東京から浅草から東武特急で東武日光駅まで約1時間50分
駐車場華厳第一・第二駐車場(普通車1回500円)

バスは、紅葉の時期にはいろは坂の渋滞で大幅に遅れることがあります。時間に余裕をもって計画しましょう。東武鉄道の周遊きっぷを使うと、電車とバスがお得になる場合があります。

おすすめモデルコース

日光東照宮と奥日光を1日で楽しむ、モデルコースをご紹介します。

  • ① 8:00 東武日光駅に到着、バスで中禅寺温泉へ
  • ② 9:00 華厳の滝(エレベーターで観瀑台へ)
  • ③ 10:00 中禅寺湖の遊覧船、または湖畔を散策
  • ④ 11:00 二荒山神社中宮祠にお参り
  • ⑤ 12:00 湖畔でヒメマスのランチ
  • ⑥ 13:30 バスで竜頭ノ滝・戦場ヶ原へ
  • ⑦ 15:00 バスで日光市街へもどる
  • ⑧ 16:00 神橋・日光東照宮周辺を散策

日光東照宮もじっくり見たい場合は、日光に1泊して、1日目に東照宮、2日目に奥日光をめぐるのがおすすめです。

華厳の滝を楽しむためのポイント

  • ① 朝早めに出発:紅葉の時期や週末は、いろは坂が大渋滞します。
  • ② 上着を持っていく:奥日光は日光市街より気温が低く、観瀑台は水しぶきで冷えます。
  • ③ 晴れた日の朝がおすすめ:運がよければ、水しぶきに虹がかかります。
  • ④ 冬は防寒をしっかり:氷瀑を見に行くときは、雪道と寒さへの対策が必要です。
  • ⑤ 季節の水量をチェック:公式サイトで、落水量のお知らせが出ることがあります。

よくある質問

華厳の滝のエレベーターの料金はいくらですか?

往復で大人600円、小学生400円です。未就学児は無料です。予約は不要で、先着順で乗ることができます。

華厳滝エレベーターの営業時間は?

3月1日〜11月30日は8:00〜17:00、12月1日〜2月28日は9:00〜16:30です。

華厳の滝の落差はどのくらいですか?

落差は97メートル、幅は約7メートルです。那智の滝、袋田の滝とともに日本三名瀑のひとつです。

華厳の滝の紅葉の見ごろはいつですか?

例年10月中旬から下旬ごろです。年によって変わるので、公式サイトなどで最新の情報を確認してください。

日光駅から華厳の滝へはどう行きますか?

東武日光駅・JR日光駅から東武バス「中禅寺温泉・湯元温泉行き」に乗り、「中禅寺温泉」で下車、徒歩約5分です。

冬でも華厳の滝は見られますか?

見られます。冬はまわりの小さな滝が凍りつき、氷瀑の幻想的な姿を見ることができます。雪道対策をして出かけましょう。

まとめ

華厳の滝は、落差97メートルを一気に流れ落ちる、日本三名瀑のひとつです。エレベーターで降りた観瀑台から見上げる滝の迫力、季節ごとに変わる新緑や紅葉、冬の氷瀑。そして、いろは坂、中禅寺湖、戦場ヶ原など、奥日光の大自然も一緒に楽しめます。

日光東照宮とあわせて、日光の自然の美しさにもふれてみてください。きっと忘れられない旅になります。

参考情報

※この記事の情報は執筆時点のものです。営業時間、料金などは変わることがありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。

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