出雲大社

神楽殿の大しめ縄
出雲大社
神楽殿の大しめ縄
長さ13.6メートル、重さ4.7トンの神楽殿の大しめ縄
写真: the.Firebottle / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

見上げるほど大きなしめ縄、天にむかってそびえる御本殿。島根県出雲市の「出雲大社(いずもおおやしろ)」は、「縁結びの神さま」として全国から多くの人がお参りに訪れる、日本でもっとも古い歴史をもつ神社のひとつです。

おまつりされているのは、『古事記』や『日本書紀』の神話にも登場する大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。「だいこくさま」として親しまれ、人と人、人と幸せを結ぶ神さまとして信仰されています。毎年旧暦の10月には、全国の神々が出雲に集まると伝えられ、出雲ではこの月を「神在月(かみありづき)」と呼びます。

神話の舞台となった稲佐の浜、古代の巨大神殿の謎、門前町の出雲そばとぜんざい。出雲大社のまわりには、神話の国・出雲ならではの魅力がたくさんあります。

この記事では、出雲大社の歴史と御祭神、正しい参拝作法、境内の見どころ、神在祭、周辺スポット、グルメ、アクセス、モデルコースまで、はじめての人にもわかりやすく紹介します。

出雲大社の基本情報

まずは基本の情報を表にまとめました。時間などは変わることがあるので、お出かけ前に公式サイトで確認してください。

名称出雲大社(正式には「いづもおおやしろ」)
御祭神大国主大神
所在地島根県出雲市大社町杵築東195
参拝時間6:00〜19:00(御本殿の裏側の区域は16:30に閉鎖)
拝観料無料
授与所(お札・お守り・御朱印)8:30〜16:30(早朝・夕刻は臨時窓口)
アクセス一畑電車「出雲大社前駅」から徒歩すぐ、JR出雲市駅からバスで約25分
電話0853-53-3100(出雲大社社務所)
一畑電車 出雲大社前駅
レトロな建物の一畑電車・出雲大社前駅
写真: Smiley.toerist / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

出雲大社の歴史と大国主大神

『古事記』や『日本書紀』には、こんな神話が伝えられています。大国主大神は、日本の国土をつくり、人々の暮らしを豊かにした神さまでした。その国を天照大御神(あまてらすおおみかみ)にゆずった「国譲り」のとき、その功績をたたえて、太い柱と厚い板を使った壮大な神殿が建てられ、大国主大神がお鎮まりになったといいます。これが出雲大社のはじまりとされています。

大国主大神は、「だいこくさま」として親しまれています。また、因幡の白うさぎを助けたやさしい神さまとしても知られています。

因幡の白うさぎの神話では、海を渡ろうとしてワニ(サメとも)をだましたうさぎが、毛をむしられて苦しんでいたところを、大国主大神がやさしく助けたと伝えられています。

大国主大神とうさぎの像
因幡の白うさぎの神話を伝える御神像
写真: T.H / Public domain

出雲大社の縁結びは、男女の縁だけではありません。人と人、仕事、家族、そして幸せとの、あらゆるつながりを結んでくださる神さまとして、古くから信仰されてきました。

出雲大社の参拝作法「二礼四拍手一礼」

ふつうの神社では「二礼二拍手一礼」でお参りしますが、出雲大社の正式な作法は「二礼四拍手一礼」です。2回深くおじぎをして、4回手をたたき、最後にもう一度おじぎをします。

出雲大社でいちばん大きなお祭りである5月14日の例祭では、8回手をたたきます。「8」は昔から限りない数を表す数字で、神さまを限りなくたたえる意味があります。ふだんはその半分の4回で、神さまをたたえるのです。

御本殿のまわりにある社殿をお参りするときも、同じく「二礼四拍手一礼」で。まず御本殿前の八足門(やつあしもん)でお参りし、そのあと御本殿のまわりの垣にそって左回り(時計と反対回り)に進んで、それぞれの社殿をお参りしましょう。

勢溜の鳥居と松の参道

勢溜の鳥居
参道の入口に立つ勢溜の鳥居
写真: Flow in edgewise / Wikimedia Commons(CC BY 3.0)

出雲大社の正面入口に立つのが「勢溜(せいだまり)の鳥居」です。ここから境内へは、めずらしい「下り参道」が続きます。

さらに進むと、松の並木が続く「松の参道」になります。参道の中央は神さまの通り道とされているので、両側の道を歩きましょう。

下り参道の途中、右手には「祓社(はらえのやしろ)」があります。ここでは心と体の汚れをはらう神さまをまつっているので、御本殿へ向かう前に、まずここでお参りしてから進むのがよいとされています。

出雲大社の境内
松の木に囲まれた出雲大社の境内
写真: Suicasmo / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

境内には、うさぎの像があちこちに置かれています。大国主大神と因幡の白うさぎの神話にちなんだもので、いろいろなポーズのうさぎを探しながら歩くのも楽しいですよ。

拝殿と御本殿

出雲大社の拝殿
大きなしめ縄がかかる出雲大社の拝殿
写真: MaedaAkihiko / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

銅の鳥居をくぐると、大きなしめ縄がかかった拝殿があります。拝殿のしめ縄は長さ6.5メートル、重さ1トンもあります。

出雲大社の御本殿
国宝の御本殿。高さは約24メートル
写真: Mti / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

拝殿の奥に建つのが、国宝の御本殿です。現在の御本殿は延享元年(1744年)に建てられたもので、高さは約24メートル。「大社造(たいしゃづくり)」と呼ばれる日本最古の神社建築様式を伝えています。

御本殿は、八足門の前からお参りします。屋根の上には、天にむかってのびる大きな千木(ちぎ)が見えます。

御本殿と八足門
八足門の奥にそびえる御本殿の屋根
写真: Mti / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

出雲大社では、およそ60年ごとに「遷宮」が行われ、御本殿の屋根などが修理されます。最近では「平成の大遷宮」により、2013年に御本殿の修造が終わりました。

古代の巨大神殿の謎

出雲大社には、昔の御本殿はもっと高く、約48メートルもあったという言い伝えがあります。平安時代には、当時の大きな建物の中でも、出雲大社がいちばん大きかったとする書物もあります。

この言い伝えは長いあいだ「本当だったのか」と議論されてきましたが、2000年、境内から3本の大きな木を束ねた巨大な柱のあとが見つかりました。この発見によって、巨大な神殿が実際にあったのかもしれないと、大きな話題になりました。

境内に立つ国旗の掲揚塔は高さ47メートル。平安時代の御本殿の高さと伝えられる48メートルより、少しだけ低くつくられています。この掲揚塔を見上げると、昔の神殿の大きさを想像することができます。

神楽殿の大しめ縄

御本殿の西側にある「神楽殿(かぐらでん)」には、出雲大社の写真でよく見る、日本最大級の大しめ縄がかけられています。長さは13.6メートル、重さは4.7トン。その大きさに、だれもがおどろかされます。

出雲大社のしめ縄は、ふつうの神社とは左右が逆に張られているのも特徴です。出雲大社では古くから、神さまに向かって左を上位とする習わしがあり、しめ縄も左から綯い始められています。

素鵞社とお砂の信仰

素鵞社
御本殿の裏手にある素鵞社
写真: oonamochi / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

御本殿の真うしろにある小さな社が「素鵞社(そがのやしろ)」です。大国主大神の祖先にあたる素戔嗚尊(すさのおのみこと)がまつられています。八雲山を背にした神聖な場所で、パワースポットとしても人気があります。

素鵞社には、「お砂取り」という信仰があります。まず稲佐の浜で砂をいただいて素鵞社にお供えし、代わりに素鵞社にあるお砂をいただいて帰るというものです。素鵞社の区域は16:30に閉鎖されるので、お参りする人は早めに訪れましょう。

神在月と神在祭

稲佐の浜と弁天島
神迎神事が行われる稲佐の浜と弁天島
写真: Qurren / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

旧暦の10月、全国の神々は出雲に集まり、人々の幸せの縁を結ぶための会議「神議(かみはかり)」を開くと伝えられています。そのため、ほかの地方では神さまがいなくなる「神無月」と呼ばれるこの月を、出雲では「神在月」と呼びます。

2026年(令和8年)の神在祭の日程は、次のとおりです。

神迎神事・神迎祭11月18日 19:00(稲佐の浜)
神在祭11月19日 9:00
献穀祭・神在祭・縁結大祭11月23日 10:00
神在祭・縁結大祭11月25日 10:00
神等去出祭11月25日 16:00

神迎神事では、夜の稲佐の浜でかがり火がたかれ、海からやってくる神々をお迎えします。とても神秘的な儀式で、毎年たくさんの人が参列します。神在月の期間中は、出雲大社のまわりがとても混み合います。

稲佐の浜:神々が上陸する浜

夕暮れの稲佐の浜
夕日がしずむ稲佐の浜
写真: Nesnad / Wikimedia Commons(CC BY 4.0)

出雲大社から西へ約1キロのところにあるのが「稲佐の浜(いなさのはま)」です。国譲りの神話の舞台であり、神在月には全国の神々がこの浜から上陸すると伝えられています。

浜には「弁天島」という小さな岩の島があり、夕日の名所としても知られています。夕方、オレンジ色にそまる空と海に浮かぶ弁天島の姿は、とても神秘的です。出雲大社から歩いて15分ほどなので、ぜひ足をのばしてみてください。

島根県立古代出雲歴史博物館

島根県立古代出雲歴史博物館
出雲大社のとなりにある古代出雲歴史博物館
写真: Motokoka / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

出雲大社のすぐとなりにある「島根県立古代出雲歴史博物館」では、出雲の神話と歴史をわかりやすく紹介しています(有料)。

境内で見つかった巨大な柱「宇豆柱(うづばしら)」や、古代の出雲大社の想像模型、たくさんの銅剣や銅鐸など、見ごたえのある展示が並んでいます。出雲大社をお参りする前後に訪れると、出雲の神話の世界がよりいっそう身近に感じられるはずです。

神門通りと門前町

出雲大社の門前
鳥居の前に広がる出雲大社の門前町
写真: z tanuki / Wikimedia Commons(CC BY 3.0)

出雲大社の正面から南へまっすぐ続く「神門通り(しんもんどおり)」には、おみやげ屋さんや出雲そばのお店、カフェなどが並んでいます。

神門通りの先には、大きなコンクリートの大鳥居が立っています。出雲大社前駅からも近く、駅から出雲大社まで、おみやげを見ながら歩いていくのが楽しい道です。

神門通りの近くには、旅館やホテルもあります。出雲大社のそばに泊まれば、人の少ない早朝の境内を静かにお参りすることができます。

出雲で味わいたいグルメ

出雲そば(割子そば)
丸い器を重ねた出雲名物の割子そば
写真: J.Yoshiiiiiiii / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

出雲大社のまわりで、ぜひ味わいたいのがこちらです。

  • ① 出雲そば:そばの実を皮ごとひくので、色が黒く香りが強いのが特徴。丸い器を重ねた「割子そば」と、温かい「釜あげそば」が定番です
  • ② ぜんざい:出雲は「ぜんざい発祥の地」といわれます。神在月に神さまにお供えした「神在餅(じんざいもち)」が、なまって「ぜんざい」になったという説があります
  • ③ 縁結びスイーツ:神門通りには、縁結びにちなんだかわいいスイーツもあります
  • ④ しじみ:近くの宍道湖でとれるしじみは、島根の名物です

周辺スポット:日御碕と一畑電車

出雲日御碕灯台
白い石造りの出雲日御碕灯台
写真: 663highland / Wikimedia Commons(CC BY 2.5)

出雲大社からバスで約20分のところにある日御碕(ひのみさき)には、白い石造りの「出雲日御碕灯台」がそびえています。日本一高い石造りの灯台として知られ、上まで登ると日本海の絶景が広がります(有料)。近くには、朱塗りの社殿が美しい日御碕神社もあります。

また、出雲大社前駅から出る一畑電車は、宍道湖のほとりを走るローカル線です。レトロな駅舎や車窓の景色も楽しみのひとつです。

御朱印とお守り

出雲大社では、お守りや御朱印をいただくことができます。授与所は8:30〜16:30で、早朝や夕方は臨時の窓口で対応しています。

縁結びのお守りは、出雲大社でとくに人気があります。自分のためだけでなく、家族や友人の幸せを願っていただく人も多くいます。御朱印をいただくときは、参拝をすませてからお願いしましょう。

アクセス:出雲市駅・空港からの行き方

電車一畑電車「出雲大社前駅」から徒歩約5分
JR出雲市駅から一畑バス「出雲大社・日御碕・宇竜行き」で約25分
出雲縁結び空港から空港連絡バスで出雲市駅へ約25分、そこからバスで約25分
寝台特急東京から「サンライズ出雲」でJR出雲市駅へ
車山陰自動車道「出雲IC」から国道431号経由

大阪や岡山方面からは、岡山駅で特急「やくも」に乗りかえて出雲市駅へ向かいます。東京からは、飛行機で出雲縁結び空港へ行くのが早く、寝台特急「サンライズ出雲」で夜のうちに移動するのも人気です。

モデルコース:出雲大社と神話の国めぐり

  • ① 一畑電車で出雲大社前駅へ。神門通りを歩く
  • ② 勢溜の鳥居から松の参道を進む
  • ③ 拝殿・御本殿に「二礼四拍手一礼」でお参り
  • ④ 素鵞社、神楽殿の大しめ縄へ
  • ⑤ 神門通りで出雲そばとぜんざいのランチ
  • ⑥ 古代出雲歴史博物館で神話と歴史を学ぶ
  • ⑦ 稲佐の浜で夕日を眺める

時間があれば、稲佐の浜でお砂をいただいてから出雲大社をお参りし、素鵞社でお砂をいただいて帰る、という順番でまわるのもおすすめです。

参拝のポイントと注意点

  • ① 参拝作法は「二礼四拍手一礼」
  • ② 参道の中央は神さまの通り道。両側を歩きましょう
  • ③ 御本殿の裏側の区域は16:30に閉鎖されるので、素鵞社へは早めに
  • ④ 境内でのドローンの使用はできません
  • ⑤ 神在月や年末年始、連休はとても混み合います
  • ⑥ 車いすの貸し出しがあります(8:30〜16:30、社務所)

よくある質問(Q&A)

出雲大社の参拝作法は?

出雲大社の正式な参拝作法は「二礼四拍手一礼」です。5月14日の例祭では八拍手でお参りします。

出雲大社の参拝時間は?

6:00〜19:00です。御本殿の裏側の区域は16:30に閉鎖されます。19:00以降は銅鳥居の前からのお参りになります。

出雲大社は拝観料がかかりますか?

境内のお参りは無料です。ご祈祷やお守り、御朱印などは初穂料が必要です。

出雲大社の正式な読み方は?

一般には「いずもたいしゃ」と呼ばれていますが、正式には「いづもおおやしろ」です。

神楽殿のしめ縄の大きさは?

長さ13.6メートル、重さ4.7トンです。拝殿のしめ縄は長さ6.5メートル、重さ1トンです。

出雲市駅から出雲大社へはどう行けばいいですか?

JR出雲市駅から一畑バス「出雲大社・日御碕・宇竜行き」で約25分です。一畑電車を利用して出雲大社前駅で降りることもできます。

まとめ:神話の国・出雲でご縁を結ぶ

出雲大社は、神話の時代から続く「縁結びの神さま」大国主大神のお社です。巨大なしめ縄、国宝の御本殿、古代の巨大神殿の謎、神々が集う稲佐の浜。どこを歩いても、神話の世界がすぐそばに感じられます。

「二礼四拍手一礼」で心をこめてお参りし、あなたにとって大切なご縁が結ばれますように。神話の国・出雲の旅を、ゆっくり楽しんでください。

参考情報

※この記事の情報は執筆時点のものです。参拝時間などは変わることがありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。

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