JEPS 飲泉・安全ガイド
温泉は飲める?飲泉の許可表示・量・持ち帰りの注意
結論:温泉はどこでも飲めるわけではありません。明確に指定された飲泉口で、当日の掲示量と注意事項を確認できた場合だけ飲みます。浴槽や一般の湯口は飲みません。

結論:飲用可・指定飲泉口・掲示の3点で判断
温泉法では、温泉を公共の浴用または飲用に供するには、都道府県知事または保健所設置市・区の長の許可が必要です。浴用と飲用は同じ判断ではありません。温泉成分分析書がある、源泉かけ流しである、湯が透明であるという理由だけでは飲めません。
温泉の定義や分析表は泉質10種類と成分表、湯の使い方は源泉かけ流しの意味で分けて確認できます。
「飲める・飲まない」を10秒で判定
| 現地の状態 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 飲用可+指定口+量の掲示 | 掲示どおり少量を飲む | 許可と利用条件を確認できる |
| 成分分析書だけがある | 飲まない | 飲用許可の証明とは限らない |
| 源泉かけ流し・湯口 | 飲まない | 浴用の湯と飲泉は別 |
| 休止・故障・封鎖中 | 飲まない | 湯が出ても安全確認中の可能性 |
| 表示が読めない・不明 | 施設へ質問、不明なら飲まない | 量や禁忌症を判断できない |
過去の旅行記や地図の口コミより、訪問日の掲示を優先します。災害、設備点検、検査結果などで一時休止する場合があります。
飲泉量は一般目安より現地掲示を優先
環境省の掲示基準では、一般に1回100~150mL程度、1日の総量200~500mLまでとされています。ただし、どの温泉でも500mLまで飲めるという意味ではありません。ひ素、銅、ふっ素、鉛、水銀、遊離炭酸などの含有量、pH、複数成分の組み合わせにより、少ない量や希釈方法が指定されます。
| 表示 | 行動 | しないこと |
|---|---|---|
| 1回50mL・1日100mL | 少ない現地量を守る | 一般目安まで増やさない |
| このコップで1回2杯 | 指定容器で数える | 大きな容器へ置換しない |
| 希釈して飲用 | 倍率・方法を掲示どおりにする | 自己流で薄めない |
| 複数成分で制限 | 掲示された最少量に従う | 成分ごとに足し算しない |
旅行者が分析値から許容量を自己計算する必要はありません。「体によさそう」と回数を増やしたり、通常の水分補給の代わりにしたりせず、入浴前後は施設が飲料水として案内する水を使います。入浴時間と水分補給も確認してください。
飲泉するときの8ステップ
- 飲用可と指定飲泉口を確認する
- 1回・1日の量、禁忌症、希釈方法を読む
- 服薬・持病・年齢に不安があれば飲まない
- 自身専用または使い捨ての衛生的なコップを使う
- 掲示どおりの少量をくむ
- 焦らず誤嚥に注意して飲む
- 異常を感じたら直ちに中止し施設へ伝える
- その場で飲み、飲用目的で持ち帰らない
環境省基準では一般に食事の30分程度前が望ましいとされていますが、施設の指定があればそちらを優先します。旅行中の体調管理は温泉旅行の健康ガイド、初めての入浴は温泉マナーを参照してください。

子ども・服薬中・嚥下障害・持病がある場合
| 状況 | 環境省基準に沿う判断 | 旅行者の行動 |
|---|---|---|
| 15歳以下 | 原則として飲用を避ける | 例外は専門知識のある医師の指導下 |
| 服薬治療中 | 主治医の意見を聴く | 旅行先で自己判断しない |
| 嚥下障害 | 飲泉を行わない | 誤嚥を避け通常の飲料も指示に従う |
| 塩分等の制限・持病 | 成分と禁忌症を確認 | 不明なら飲まず主治医へ相談 |
| 体調不良 | 無理に利用しない | 中止して休み、必要なら受診 |
妊娠中、腎臓・心臓などの病気、食事成分の制限がある場合も、現地で初めて判断せず、旅行前に主治医へ温泉成分表を見せて相談してください。JEPSの記事は診断や治療の代替ではありません。
浴槽・湯口・足湯は飲まない
指定飲泉口以外の浴槽水、かけ湯、手湯、足湯、一般の湯口、清掃用蛇口は飲みません。飲泉は源泉を直接引いた新鮮な温泉を決められた場所で飲む基準であり、見た目やにおいでは衛生状態を判定できません。
「他の人が飲んでいる」「昔は飲めた」「少しだけ」といった理由も判断材料になりません。共同浴場は外湯めぐり、貸切設備は貸切温泉、足湯は足湯散歩で、それぞれの利用ルールを確認してください。
衛生検査・設備管理があるから指定口だけを使う
環境省の飲用利用基準では、表流水や浅層地下水などの混入を防ぐ設備管理、衛生的なコップ、飲泉口で採取した温泉の年1回以上の一般細菌・大腸菌群検査などが示されています。不良判定時は直ちに飲泉を中止し、原因を排除する基準です。
旅行者は色、味、温度で検査結果を判断できません。濁りや異臭、設備破損、休止表示がある場合は試飲せず施設へ知らせます。湧出直後でも、許可・掲示・管理の確認できない源泉へ近づいたり、容器で採水したりしません。
持ち帰りと市販の飲用温泉水は別
環境省の掲示基準は、飲泉場から飲用目的で温泉水を持ち帰らないよう示しています。時間経過による変化や、容器・保存温度の衛生状態を施設が管理できないため、その場の指定量だけを飲みます。
施設が密封し商品として販売する飲用温泉水は別です。名称、原材料、賞味期限、保存方法、開封後の扱いを商品表示で確認します。売店に商品があっても浴槽の湯が飲めるわけではなく、飲泉所があっても自分のボトルへくめるわけではありません。温泉土産は温泉街のお土産も参考にしてください。
現地で施設へ確認する7項目
この蛇口は飲泉用か。
1回と1日の量は何mLか。
禁忌症と希釈の指定はあるか。
- 現在、飲用可能か
- 指定飲泉口はどこか
- 1回と1日の量はいくつか
- 指定容器と希釈方法はあるか
- 禁忌症・年齢・服薬の注意はどこか
- 飲泉口は休止・点検中ではないか
- 通常の飲料水はどこにあるか
海外からの旅行者で掲示を読めない場合は、翻訳画面を施設スタッフへ見せ、Yes/Noだけでなく量と場所も確認します。予約前の確認方法は温泉宿予約の注意点、到着後の案内は初めての旅館で整理できます。
効能より先に禁忌症と飲み方を見る
飲泉所の掲示には泉質、成分、適応症だけでなく、禁忌症と飲用上の注意があります。旅行者は「何に良いと書かれているか」だけを切り取り、治療中の病気に合うと判断してはいけません。温泉療養の効用は成分だけで決まるものではなく、環境省の資料も、利用者の状態によっては悪化する場合があるため専門的知識を有する医師の指導が望ましいとしています。
短い旅行中に効果を得ようとして量や回数を増やさず、掲示の範囲でも体調に違和感があれば中止します。胃腸症状、気分不良、むせ、めまいなどが生じた場合は、追加で飲まず、施設スタッフへ状況を伝えます。症状が強い、続く、呼吸が苦しい場合は医療機関への相談や救急要請を検討してください。
泉質名だけで自分に合う宿を選ぶのではなく、温泉成分表の読み方と健康状態別の入浴判断を一緒に確認し、治療は主治医の方針を優先します。
予約前に飲泉の有無を確認する方法
飲泉を旅行目的にする場合は、予約サイトの設備アイコンだけで決めず、宿や観光施設の公式ページで「飲泉」「飲泉所」「飲用許可」などの記載を探します。記載が古い可能性もあるため、宿泊日現在の利用可否、利用時間、宿泊者以外の利用、点検休止、料金の有無を施設へ直接確認してください。
飲泉所が館外にある場合は、宿からの距離、営業時間、冬季閉鎖、容器の提供、足元の状況も確認します。到着が遅い旅行では利用時間に間に合わないことがあり、早朝は施設や玄関が開いていない場合があります。温泉街の移動は温泉街の楽しみ方、夜間の外出は夜散歩ガイドで組み立てられます。
「飲泉あり」と回答されても、全ての湯口を飲めるわけではありません。到着後に改めて指定場所と掲示を確認し、スタッフの説明と現場表示が異なる場合は利用を止めて再確認します。
よくある誤解を修正
| 誤解 | 正しい判断 |
|---|---|
| 温泉なら天然水なので飲める | 温泉には多様な成分があり、公共の飲用には許可と管理が必要 |
| 透明・無臭なら安全 | 見た目やにおいで成分・細菌・許可は判断できない |
| 少量なら浴槽の湯でもよい | 量に関係なく指定飲泉口以外は飲まない |
| たくさん飲むほど効く | 現地掲示の量を超えず、治療目的は医師へ相談 |
| 沸かせば持ち帰れる | 飲泉場から飲用目的で持ち帰らない |
| 市販品があれば館内の湯も飲める | 密封商品と現地の浴槽・湯口は別に判断 |
温泉を楽しむ方法は飲泉だけではありません。飲泉できない場合も、許可された浴場で入浴し、温泉街を歩き、食事や景観を楽しめます。目的別の計画は温泉旅行ガイド100本から選べます。

温泉の飲泉 FAQ
温泉はそのまま飲めますか?
すべての温泉を飲めるわけではありません。公共の飲用には許可が必要です。「飲用可」と明示された指定飲泉口で、掲示された量・方法・禁忌症に従ってください。
源泉かけ流しなら飲んでもよいですか?
源泉かけ流しは浴槽での湯の使い方を表すもので、飲用許可の表示ではありません。指定飲泉口と飲用上の掲示が確認できなければ飲まないでください。
飲泉は1回・1日にどのくらい飲めますか?
環境省の一般的な目安は1回100~150mL程度、1日200~500mLまでです。成分やpHでさらに少ない量や希釈が指定されるため、必ず現地掲示を優先します。
子どもも温泉を飲めますか?
15歳以下は原則として飲用を避けます。例外的に飲泉する場合は、温泉について専門的知識を有する医師の指導を受けることが環境省基準に示されています。
薬を飲んでいても飲泉できますか?
服薬治療中の人は主治医の意見を聴きます。含有成分や病態に応じた禁忌症があるため、効能表示だけで自己判断しないでください。
浴槽や足湯の温泉を飲めますか?
飲めません。浴槽、湯口、かけ湯、手湯、足湯は指定飲泉口ではなく、飲用の衛生管理も確認できません。透明でも少量でも飲まないでください。
飲泉場の温泉をペットボトルで持ち帰れますか?
飲用目的で持ち帰りません。環境省の掲示基準は飲泉場からの持ち帰りを避けるよう示しています。商品として密封販売された飲用温泉水は別に表示へ従います。
表示が読めない、見つからない場合はどうしますか?
施設へ飲用可否、指定口、1回・1日の量、禁忌症を確認します。回答が曖昧、掲示がない、休止中の場合は飲まず、通常の飲料水を使ってください。
公的・公式の参考情報
- 環境省「温泉法の概要」
- 環境省「温泉法に関する通知・ガイドライン等」
- 環境省「温泉利用基準(飲用利用基準)」
- 環境省「禁忌症及び飲用上の注意の掲示基準」
- 環境省「温泉の利用の許可の申請」
- 環境省「温泉の定義」
公的情報確認日:2026年8月2日。許可、掲示、休止状況は訪問日の施設案内を優先してください。
飲泉の有無と最新表示を確認するJEPS掲載施設例
飲泉できることを保証する一覧や順位ではありません。予約前と現地で各施設の最新案内を確認してください。
