

写真: Hashi photo / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)
目の前に広がるのは、どこまでも続く砂の大地。大きな砂の山を登りきると、その先には青い日本海が広がっています。鳥取県鳥取市の「鳥取砂丘(とっとりさきゅう)」は、日本を代表する砂丘で、国の天然記念物にも指定されています。
砂丘の広さは、東西に約16キロ、南北に約2.4キロ。山陰海岸国立公園の一部であり、ユネスコ世界ジオパークに認定された「山陰海岸ジオパーク」の見どころのひとつでもあります。風がつくる美しい模様「風紋」、らくだに乗る体験、砂でつくられた巨大な彫刻を展示する「砂の美術館」など、ここでしかできない楽しみがいっぱいです。
この記事では、鳥取砂丘の成り立ちと見どころ、馬の背からの絶景、らくだやパラグライダーなどの体験、砂の美術館、周辺の観光スポット、グルメ、アクセス、モデルコースまで、はじめての人にもわかりやすく紹介します。
鳥取砂丘の基本情報
まずは基本の情報を表にまとめました。料金や時間は変わることがあるので、お出かけ前に公式情報を確認してください。
| 名称 | 鳥取砂丘(とっとりさきゅう) |
|---|---|
| 所在地 | 鳥取県鳥取市福部町湯山 |
| 広さ | 東西約16キロ、南北約2.4キロ |
| 指定 | 国の天然記念物、山陰海岸国立公園、山陰海岸ジオパーク |
| 見学 | 自由(入場無料) |
| 砂の美術館 | 9:00〜18:00(最終入館17:30)、一般800円・小中高生400円 |
| アクセス | JR鳥取駅からバスで約20分「鳥取砂丘」下車 |

写真: 663highland / Wikimedia Commons(CC BY 2.5)
鳥取砂丘はどうやってできたの?
鳥取砂丘の砂は、もともと中国山地の岩が、長い時間をかけてくだけたものです。その砂が千代川(せんだいがわ)によって海へ運ばれ、波と風によって海岸に打ち上げられ、何万年もかけて積み重なってできたのが鳥取砂丘です。
日本海からふく強い風が、砂を内陸へ運び、大きな砂の丘をつくりました。砂丘の地層からは、大昔の火山灰の層も見つかっていて、長い地球の歴史を感じることができます。
砂丘を守る人々
昔の鳥取砂丘のまわりでは、強い風が畑や家に砂を運び、人々の暮らしを苦しめていました。そこで戦後、砂が飛ばないように松などの木が植えられ、砂丘のまわりは畑として使われるようになりました。砂丘らっきょうや長いもなどの特産品は、こうした努力の中で生まれたものです。
一方で、木や草が増えたことで、砂丘の中にも草が生え、昔のような砂だけの景色が少しずつ失われていきました。いまでは、地元の人々やボランティアが草取りを続け、砂丘らしい景観を守っています。私たちが見ている砂の景色は、多くの人の手によって守られているのです。
馬の背:砂丘の頂上から日本海を一望

写真: Suicasmo / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
鳥取砂丘でいちばんの見どころが、「馬の背(うまのせ)」と呼ばれる大きな砂の丘です。高さは約47メートル。下から見上げると、まるで砂の壁のように見えます。
砂丘の入口から馬の背までは、歩いて15分から20分ほど。平らな砂地を進み、最後に急な坂を登ります。砂の上は思ったより体力を使うので、ゆっくり進みましょう。

写真: MAKIKO OMOKAWA / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)
砂に足をとられながら急な斜面を登るのはひと苦労ですが、頂上にたどり着くと、目の前に日本海の大パノラマが広がります。青い海と白い波、そして足もとに広がる砂の大地。この景色こそ、鳥取砂丘に来た人だけが見られるごほうびです。
馬の背の海側は、さらに急な斜面になっています。斜面をかけおりて波打ちぎわまで行くこともできますが、帰りに登るのはとても大変なので、体力に合わせて楽しみましょう。
風紋と砂丘の自然

写真: Suicasmo / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
鳥取砂丘では、風がつくる自然のアートを見ることができます。そのひとつが「風紋(ふうもん)」。風によって砂の表面に波のような模様ができるもので、人の足あとがない早朝に、風がおだやかに吹いた日に見られることが多いです。
ほかにも、砂の斜面を砂がさらさらと流れ落ちる「砂簾(されん)」や、すりばちのようにくぼんだ「スリバチ」など、自然がつくるさまざまな景色に出会えます。

写真: friendD / Wikimedia Commons(CC BY 3.0)
春から初夏にかけては、砂丘のくぼみに地下水がわき出して、「オアシス」と呼ばれる水たまりがあらわれることがあります。砂の中に水がたまる、ふしぎな光景です。
山陰海岸ジオパークの一部として
鳥取砂丘は、京都府の京丹後市から兵庫県、鳥取県の鳥取市まで、東西に約120キロ続く「山陰海岸ジオパーク」の西の端にあります。山陰海岸ジオパークは、日本海ができた歴史をたどることができる場所として、ユネスコ世界ジオパークに認定されています。
砂丘のそばにある「鳥取砂丘ビジターセンター」では、砂丘のでき方や、砂丘に生きる植物や生き物について、わかりやすく紹介しています。砂丘を歩く前に立ち寄ると、目の前の景色がもっとおもしろく見えるはずです。
また、鳥取砂丘には、砂丘の景観を守るための条例があります。砂の上に大きな文字を書いたり、ゴミを捨てたりすることは禁止されています。美しい砂丘を未来に残すため、ルールを守って楽しみましょう。
らくだに乗って砂丘を歩く

写真: Geofrog / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.5)
鳥取砂丘には、らくだがいます。砂丘の入口近くでは、らくだに乗って砂丘を歩いたり、らくだといっしょに記念写真を撮ったりすることができます(有料)。

写真: AlexJulius / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
ゆったり歩くらくだの背中から見る砂丘の景色は、まるで外国の砂漠にいるような気分。子どもから大人まで人気の体験です。天候によっては休みになることもあります。
砂丘でできるアクティビティ
鳥取砂丘では、自然の地形をいかしたさまざまなアクティビティを楽しめます。
- ① パラグライダー:砂丘の斜面を利用して、はじめての人でも空をとぶ体験ができます
- ② サンドボード:スノーボードのように、砂の斜面をすべりおりるスポーツです
- ③ ファットバイク:太いタイヤの自転車で砂丘を走るツアーもあります
- ④ 観光馬車:馬車に乗って砂丘の中を進むこともできます
- ⑤ 星空観察:夜の砂丘は街の明かりが少なく、晴れた日には美しい星空が見られます

写真: Suicasmo / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
アクティビティは季節や天候によって実施されないこともあるので、事前に確認し、予約しておくと安心です。
砂の美術館:世界初の砂像専門美術館
砂丘のすぐそばにある「砂の美術館」は、砂を素材にした彫刻「砂像(さぞう)」を展示する、世界で初めての美術館です。毎年テーマを決めて、世界各国から砂像彫刻家を招き、迫力ある巨大な砂像をつくっています。
| 展示 | 第17期「砂で世界旅行・スペイン」(2026年4月24日〜2027年1月3日) |
|---|---|
| 営業時間 | 9:00〜18:00(最終入館17:30) |
| 観覧料 | 一般800円、小・中・高校生400円(小学生未満無料) |
次の第18期のテーマは「砂で世界旅行・シルクロード」と発表されています。砂でつくられた作品は、展示期間が終わるとこわされて、また新しい作品に生まれ変わります。その時だけしか見られない作品との出会いも、砂の美術館の魅力です。写真撮影はできますが、三脚や自撮り棒は使えません。
砂の美術館の展望テラスからは、砂丘と日本海を見わたすことができます。美術館を見たあとは、外に出て本物の砂丘の大きさを感じてみてください。また、砂丘の東側にある「見晴らしの丘」からは、リフトで砂丘の近くまで下りることもできます。
季節ごとの鳥取砂丘

写真: Suicasmo / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
鳥取砂丘は、季節によってちがう表情を見せてくれます。
春は、オアシスがあらわれやすい季節。気温もおだやかで、砂丘歩きにぴったりです。夏は砂の表面がとても熱くなるので、朝や夕方の涼しい時間に訪れるのがおすすめです。帽子や飲み物を忘れずに。
秋は空気が澄んで、日本海がよりいっそう青く見えます。冬は雪が積もることがあり、白い雪におおわれた砂丘という、めずらしい景色に出会えることもあります。
砂丘で写真をきれいに撮るコツ
鳥取砂丘で写真を撮るなら、光の角度が低い朝や夕方がおすすめです。砂の起伏に影ができて、砂丘の立体感がはっきり写ります。風紋を撮るときは、低い位置から光の方向に向かって撮ると、模様がくっきりと浮かび上がります。
馬の背の上から人物を小さく入れて撮ると、砂丘の広さが伝わる写真になります。風が強い日は砂がカメラに入らないよう、レンズの交換などは控えましょう。
砂丘の夕日

写真: Zairon / Wikimedia Commons(CC BY 4.0)
夕方の鳥取砂丘は、とくにおすすめの時間です。太陽が日本海にしずむころ、砂丘全体がオレンジ色にそまり、砂の起伏に長い影ができて、とても幻想的な景色になります。

写真: kajikawa / Wikimedia Commons(CC BY 3.0)
日が暮れるとまわりが急に暗くなるので、帰り道に迷わないよう、明るいうちに出口の方向を確認しておきましょう。
周辺スポット:浦富海岸

写真: Hashi photo / Wikimedia Commons(CC BY 3.0)
鳥取砂丘から東へ車で約20分のところにある「浦富海岸(うらどめかいがん)」は、「山陰の松島」とも呼ばれる美しい海岸です。松の生えた岩の島「千貫松島(せんがんまつしま)」など、波と風がけずった岩の景色が続きます。

写真: Cher V / Wikimedia Commons(CC BY 2.0)
海の透明度がとても高く、夏は海水浴やシーカヤック、遊覧船を楽しめます。遊覧船に乗れば、海の上から岩の島や洞門を間近に眺めることができます。
浦富海岸の遊覧船は、季節や天候によって運航しない日もあります。夏は海水浴客でにぎわうので、早めに出かけましょう。
鳥取市内の見どころ

写真: 663highland / Wikimedia Commons(CC BY 2.5)
鳥取市内には、砂丘とあわせて訪れたいスポットもあります。鳥取城跡は石垣が美しく、春には桜の名所としてにぎわいます。鳥取城跡のふもとに建つ「仁風閣(じんぷうかく)」は、明治時代に建てられた白い洋館で、国の重要文化財に指定されています。
また、因幡の白うさぎの神話で知られる白兎神社(はくとじんじゃ)は、縁結びのご利益で人気のある神社です。砂丘からは車で約30分の場所にあります。
鳥取の温泉に泊まる
鳥取砂丘をめぐったあとは、鳥取の温泉でゆっくり疲れをいやしましょう。
- ① 鳥取温泉:鳥取駅から歩いて行ける、街なかの温泉です
- ② 岩井温泉:浦富海岸に近い山あいの温泉地で、古くからの歴史があります
- ③ 浜村温泉:日本海に近い、のどかな温泉地です
砂丘で夕日を見たあと、温泉宿に泊まって、冬なら松葉ガニを味わう。鳥取ならではのぜいたくな旅を楽しめます。
鳥取で味わいたいグルメ
鳥取には、海の幸と山の幸のおいしいものがたくさんあります。
- ① 松葉ガニ:冬の山陰を代表する味覚。鳥取はカニの水揚げで知られています
- ② 二十世紀梨:鳥取を代表する果物。夏の終わりから秋にかけてが旬です
- ③ 砂丘らっきょう:砂丘の畑で育つ、シャキシャキしたらっきょう
- ④ 鳥取牛骨ラーメン:牛の骨でとったスープが特徴のご当地ラーメン
- ⑤ 白いか・もさえび:鳥取の海でとれる新鮮な魚介類
砂丘のまわりのお店では、梨のソフトクリームやらっきょうを使ったおみやげも人気です。
冬の松葉ガニは、鳥取の港で水揚げされたことを示すタグがつけられ、ブランドガニとして人気があります。
アクセス:鳥取駅・空港からの行き方
| JR鳥取駅から | 路線バスまたは観光ループバスで約20分「鳥取砂丘」下車 |
|---|---|
| 鳥取砂丘コナン空港から | 車・タクシーで約10分 |
| 大阪から | JR特急「スーパーはくと」で鳥取駅まで約2時間30分 |
| 車 | 鳥取自動車道「鳥取IC」から約20分 |
大阪・京都方面からは、JR特急「スーパーはくと」が便利です。高速バスも出ています。砂丘の近くには駐車場があり、車で訪れることもできます。
モデルコース:鳥取砂丘を1日で満喫
- ① 朝、JR鳥取駅からバスで鳥取砂丘へ
- ② 早朝の砂丘で風紋を探しながら馬の背へ
- ③ 馬の背の頂上から日本海を眺める
- ④ らくだに乗って記念撮影
- ⑤ 砂の美術館で砂像を鑑賞
- ⑥ 海鮮丼や牛骨ラーメンでランチ
- ⑦ 浦富海岸で遊覧船に乗る
- ⑧ 夕方、砂丘にもどって夕日を眺める
時間があれば、鳥取市内の仁風閣や白兎神社をめぐるのもおすすめです。2日あれば、温泉に泊まって、翌日に浦富海岸や鳥取市内をゆっくりまわれます。
観光のポイントと注意点
- ① 砂の上は歩きにくいので、脱ぎはきしやすい靴やサンダルで。靴の中に砂が入ります
- ② 夏は砂がとても熱くなるので、はだしで歩くのは危険です
- ③ 日かげがないので、帽子・日焼け止め・飲み物を用意しましょう
- ④ 砂丘は天然記念物です。砂の持ち帰りや落書きはやめましょう
- ⑤ 風が強い日は砂が舞うので、カメラやスマートフォンの扱いに注意
- ⑥ 砂丘の入口には、靴の砂を落とす場所があります
よくある質問(Q&A)
鳥取砂丘は入場料がかかりますか?
鳥取砂丘は入場無料で、自由に見学できます。砂の美術館やらくだ、アクティビティなどは有料です。
馬の背の高さはどれくらいですか?
約47メートルです。頂上からは日本海を一望できます。
砂の美術館の料金と時間は?
9:00〜18:00(最終入館17:30)で、観覧料は一般800円、小・中・高校生400円です。
鳥取駅から鳥取砂丘へはどう行けばいいですか?
JR鳥取駅から路線バスや観光ループバスで約20分です。「鳥取砂丘」で降ります。
風紋はいつ見られますか?
人の足あとが少ない早朝に、風がおだやかに吹いたあとに見られることが多いです。
鳥取砂丘に行くときの服装は?
歩きやすく、砂が入っても気にならない靴がおすすめです。日かげがないので、帽子や日焼け止め、飲み物も用意しましょう。
まとめ:砂と海がつくる絶景の旅へ
鳥取砂丘は、風と砂と海がつくりだした、日本ではほかに見られない絶景の地です。馬の背の頂上から見る日本海、風紋、らくだ、砂の美術館、そしてオレンジ色にそまる夕日。一日いても飽きない楽しみが待っています。
砂の感触を足の裏で感じながら、鳥取砂丘の大自然を思いきり楽しんでください。季節や時間を変えて訪れれば、そのたびにちがう砂丘の顔に出会えるはずです。
参考情報
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